コストコの超人気商品が動物愛護団体に告発される
会員になれば食品や家電、衣類などあらゆる商品がお手頃価格で手に入ることから、日本でも大人気の会員制ウェアハウス・クラブのコストコ(Costco)の看板商品をいえば、鶏を1羽まるごとローストしたロティサリーチキン。アメリカで4.99ドル、日本で699円という驚きの激安価格で販売されているロティサリーチキンは、クリスマスシーズンになると整理券が配られることもある超、超、超人気商品で、毎年、アメリカ国内だけで6億個以上を売り上げている。
今、そんなロティサリーチキンの「裏側」をめぐって、動物愛護団体とコストコが火花を散らしている。事の発端となったのは、米動物愛護団体のマーシー・フォー・アニマルズ(Mercy For Animals)の調査員による告発。
同団体は、コストコがコスト削減のために2019年にネブラスカ州に開設した養鶏場「リンカーン・プレミアム・ポートリー(Lincoln Premium Poultry)」に覆面調査員を派遣した結果、コストコのロティサリーチキンになる鶏が劣悪な環境で飼育されていることがわかったと主張しており、コストコの会員にも真実を知る権利があると訴えている。
今回の告発をうけて、コストコとリンカーン・プレミアム・ポートリーは共同で声明を発表。「コストコは、サプライチェーン全体を通して、最高水準の動物福祉、人道的なプロセス、倫理的な行動を維持することを約束しています。お互いのビジネス哲学に基づいて慎重に選ばれた養鶏業者と同様に、リンカーン・プレミアム・ポートリーもこの取り組みを共有しています。また、当社ではすべての関係者が一貫してコンプライアンスを遵守していることを確認するために、定期的に第三者による監査を実施しています。監査の結果はもちろんのこと、(マーシー・フォー・アニマルズが入手した)映像を含むほかの情報源も活用して、動物福祉のプロセスのさらなる改善に努めてまいります」としている。
ちなみに、動物愛護に厳しい欧米では、こういった批判が上がることは珍しいことではなく、数ヵ月前にも、コストコをはじめとする大手チェーンが動物虐待を告発されたブランドの商品の取り扱いを続々とやめるという出来事があった。(フロントロウ編集部)