働く人の心に響く『プラダを着た悪魔』
2006年に公開された映画『プラダを着た悪魔』といえば、アン・ハサウェイが演じたダサいアンディが、ファッション雑誌の鬼編集長ミランダの下でしごかれ、その才能を開花させていく様子を描き、全世界に一大旋風を巻き越こした。
当然のことながら、そのファッションは大きな魅力だったけれど、作品のなかには、アンディやエミリー・ブラントが演じたエミリー、スタンリー・トゥッチが演じたナイジェルなど、数多くのファンから愛されるキャラクターも登場し、すべての働く人の心に響くストーリーとなっていることも、作品が今なお支持される理由の1つ。
そして、頑張る人々を励ますエピソードは、撮影が始まる前から起こっていたよう。
アン・ハサウェイは候補者のなかでも…
先日、ドラァグクイーンたちが競うアメリカの人気コンテスト番組『ル・ポールのドラァグ・レース』に出演したアンは、コンテストの参加者から、これまでにそれを得るために必死になった役があるかどうかと聞かれ、こんな事実を明かした。
「『プラダを着た悪魔』では、私は9番目の候補者だった。でも勝ち取った!くじけないで。絶対に諦めないで」
当初、スタジオ側が熱視線を向けていたアンディ役の第一候補は、映画『きみに読む物語』で知られるレイチェル・マクアダムスだったことは知られている。しかしアンの前に、8人もの有力候補がいたとは驚き。
自分よりも優れているかもしれないと感じる人が1人いるだけでもプレッシャーを感じることがあるのに、8人もいるとなれば諦めモードに入ってしまってもおかしくはない。
しかし諦めずに努力し、最終的に役を勝ち取ったアンにとって、アンディがどれだけハマり役だったかは、その大ヒットを見れば明らか。さらにアンは、この後も映画『ダークナイト ライジング』や『レ・ミゼラブル』、『インターステラー』などへ出演し、実力派としてキャリアアップに成功している。
そんなアンは、アンディ役を手に入れるために、当時のスタジオの副社長であるカーラ・ハッケン氏の机にあった箱庭の枯山水に“雇って”と書き、面談の後に気づかれるようにメッセージを残したという逸話がある。(フロントロウ編集部)