ロザムンド・パイク、画像修正についての経験
様々な舞台に出演した後、映画『007 ダイ・アナザー・デイ』でミランダを演じ、『ゴーン・ガール』では観客を戦慄させた演技力を見せつけたロザムンド・パイクが、米トーク番組『The Kelly Clarkson Show(原題)』に出演した。
司会者でシンガーのケリー・クラークソンは、ハリウッドにおける画像修正についてトーク。ケリーは、自分の画像が勝手に修正されることが嫌だと話し、ロザムンドの意見を尋ねた。すると、彼女は過去に経験したというある出来事を明かした。
ロザムンドによると、新型コロナウイルスのパンデミックが始まる以前に、最後に乗った飛行機で自撮りをしたところ、それを見ていた見知らぬ男性が彼女に向かって、(画像加工アプリの)Facetuneで加工すべきだと告げたという。
そのかなり失礼な言動は驚くべきものだが、彼女はその後、体型を修正されることはよくあることだと気づいたそう。
ロザムンド・パイクが指摘する画像加工の問題点
彼女が例にあげたのは、映画『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』と、『Radioactive(レディオアクティブ)』。作品のポスターで、現実の自分とは違う箇所があったという。
「『ジョニー・イングリッシュ』のポスターでは、私の胸が大きくされていた。キャラクターのポスターでは、私はびっくりするような胸だったね。(現実の)私にはそれがないけど。あと『レディオアクティブ』では、妙なことに、制作陣は私の目を茶色にした。私は今でも、それがなぜか分からない」
正直に言って、俳優の、とくに女性の著名人の外見が勝手に変えられることは、残念ながら現在でもよく聞く話。しかし彼女は、画像加工の問題について、さらに深い問題点を指摘した。
「これらは分かりやすかった時でしょう?『私が茶色い目になってる』とか、『胸が大きくなってる』と気づいた時。でもきっと、私たちの画像が加工され、しかし私たち自身はそれに気づいていない時というのは、数えきれないほどある。なぜなら、私たちはみんな、本当の自分はどう見えるのかという理解を失ってきているから」
画像を修正することは、それを見た側に現実と、理想とされている過度なイメージとの間でプレッシャーを与え、深刻なメンタルヘルスの問題を引き起こすといったことが指摘されてきた。しかしロザムンドの意見を考えると、画像加工が自分でも手軽に出来るようになった今、自分自身も、現実の自分の外見が分からなくなっている時があるのではないだろうか。
例えば写真を撮って、その映りに納得がいかず加工をしている時、現実の写真のほうに対してこれは自分ではないという感覚になったり、最初からアプリを使って写真を撮って、自分の携帯電話のカメラロールやインスタグラムなどで見る自分はすべて加工済みで、そのイメージが現実の自分という感覚になったりしている人もいるのでは?
また、その画像に見慣れてしまうと、鏡で無加工の自分を見た時に違和感を覚え、自分の外見に納得がいかなくなってしまうこともあるかもしれない。
ロザムンドが言う「自分たち自身への理解」が失われているという意見からは、様々に深刻な問題を考えることができる。(フロントロウ編集部)