Photo:ニュースコム、©︎Anne Marie Fox/Focus Features
3月1日は国連合同エイズ計画(UNAIDS)により定められた、「差別ゼロの日」。世界でエイズ患者が初めて報告されたのは1981年。それ以降、HIV/エイズへの理解は徐々に広まってきているものの、いまだ差別や偏見の残る地域は多い。そんな「差別ゼロの日」に、HIV/エイズを描いた作品ピックアップしてご紹介。この機会に、理解を深めて。(フロントロウ編集部)

『ダラス・バイヤーズ・クラブ』

 2013年に公開された本作は、「エイズで余命30日」と医師に宣告された実話をもとにした作品。舞台は1985年のダラス。当時エイズは「ゲイ特有の病気」だと一般的には思われており、女好きである主人公は診断結果を信じようとしなかったが、詳しく調べるうち、異性との性交渉でも感染することを知る。アメリカではエイズの認可治療薬が少ないことを知った主人公は、世界各地で入手した治療薬を国内で売り捌く「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を立ち上げる。


『BPM ビート・パー・ミニット』

 映画『パリ20区、僕たちのクラス』などを手掛けた脚本家ロバン・カンピヨが監督・脚本を手がけ、エイズ活動家団体ACT UPのメンバーだった自身の経験をもとに描いた青春ドラマ。1990年代初頭のパリを舞台に、エイズ患者やHIV感染者への差別に対してさまざまな抗議活動を行なっていた若者たちの姿を鮮烈に、そしてリアルに描き出す。


『KIDS/キッズ』

 映画『WAVES/ウェイブス』や『ミスター・ロンリー』などのハーモニー・コリンが脚本を務めたドキュメンタリータッチの映画『KIDS/キッズ』。たった一度のセックスからエイズに感染してしまったヒロインが、その時の相手の少年を探して街を徘徊する。セックスやドラッグへの興味から自分自身を傷つける少年少女の姿に心が痛む重厚な一作。


『ボーイズ・オン・ザ・サイド』

 ウーピー・ゴールドバーグ、ドリュー・バリモア、メアリー=ルイーズ・パーカーが主演の本作は、HIVに感染した女性の姿をハリウッドで初めて描いたとされる1995年の作品。3人の女性がニューヨークを離れロサンゼルスへ向かう旅の様子が描かれるエモーショナルなロードムービー。90年代のアメリカでは、HIVは主に男性の問題と捉えられていたけれど、女性にも感染が広まっていた。


『ノーマル・ハート』

 同名のブロードウェイ・ミュージカルがベースとなって制作されたテレビ映画の『ノーマル・ハート』。ライアン・マーフィーが監督を務め、マーク・ラファロやマット・ボマー、ジム・パーソンズ、ジュリア・ロバーツなど、名だたる俳優が参加している。プライムタイム・エミー賞のテレビ映画作品賞を受賞した本作は、HIVが発見されて間もない頃の、絶望的なゲイコミュニティと、愛し合うカップルの奮闘を描いている。


『フィラデルフィア』

 映画『羊たちの沈黙』や『レイチェルの結婚』などを制作したジョナサン・デミ監督による1993年の映画『フィラデルフィア』は、エイズを理由に解雇された弁護士が、その不当な扱いと戦う物語。同性愛やHIVへの差別や偏見が色濃かったこの時代にこうした難題に切り込んだだけでなく、大ヒットを記録した。主人公を演じたトム・ハンクスはアカデミー主演男優賞を受賞し、ブルース・スプリングスティーンによる主題歌も歌曲賞を受賞。

(フロントロウ編集部)

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