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3月8日は国際女性デー。フロントロウでは、歴史を作り上げてきた女性たちを描く、実話をもとにしたを厳選して10作品ご紹介。(フロントロウ編集部)

『プライベート・ウォー』

 この2018年のドラマ映画は、米サンデー・タイムズ紙のジャーナリスト、マリー・コルビン(ロザムンド・パイク)の伝記。スリランカ赴任中に銃撃を受けた後のPTSDに苦しむ彼女は、戦争写真家のポール・コンロイ(ジェイミー・ドーナン)と出会い、2012年、シリア危機を取材することを決意する。マリーはアメリカで見たニュースでシリア危機への意識を高め現地に赴いたものの、直後にシリアのホムス周辺で連続爆破事件に巻き込まれて命を落としてしまう。この映画は、実在したマリー・コルビンのインタビューを収録しており、ジャーナリズムの力と、知られざる真実の物語を伝えるために命を懸けている女性たちが描かれている。


『コレット』

 『コレット』は、キーラ・ナイトレイ演じるフランス人作家シドニー=ガブリエル・コレットの実話。映画では、コレットが書いた本を自分の名前で出版する夫ウィリー(ドミニク・ウェスト)との関係が描かれている。ウィリーは浮気を繰り返すばかりではなく、彼女が彼の出版社と約束した次の続編を書き終えるまで、コレットを部屋に閉じ込めてしまうなどの有害な行為を繰り返し、コレットは苦悩する。


『フリーダ』

 サルマ・ハエックがメキシコの画家フリーダ・カーロを演じている本作。物語は、フリーダが18歳の時に瀕死の交通事故に遭い、その後一生続く後遺症を背負いながらも画家としてのキャリアをスタートさせるところから始まる。フリーダは、メキシコの現代絵画を代表する民族芸術の画家であり、その絵画は今日でも世界中に流通している。彼女の作品のほとんどは自画像で、当時の女性の身体や性に対するタブーを打ち砕いたとして大きな評価を得ている。


『ドリーム』

 人種差別や女性差別が横行していた1960年代初頭のアメリカで、米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人女性、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いた映画。彼女たちは「黒人」「女性」という二重の差別にさらされているというのに、チャーミングかつ陽気で、スマート。メアリーが正当な権利を主張し裁判所で白人男性を説得する姿は、きっと忘れられないものになるだろう。当時の黒人女性が経験した不条理な差別を学べると同時に、スカッと胸のすく思いをさせてくれる映画。


『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』

 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』は、政治家人生の中で多くの賞賛と批判を受けながらも、女性史に名を刻んだ女性、マーガレット・サッチャーの人生を描いた2011年の伝記ドラマ。八百屋の娘として人生のスタートを切ったサッチャーが、オックスフォード大学で学び、その後、男性優位の政界に入り、女性として初めて首相になるまでの道のりを追っている。メリル・ストリープは、この伝記映画でサッチャーを演じ、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞とBAFTA主演女優賞を受賞した。


『ビリーブ 未来への大逆転』On The Basis Of Sex

 長年にわたり、女性が教育の機会や賃金の不平等など、男性と同じ待遇や機会を得るために戦ってきた最高裁判事の“RGB”ことルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記映画。フェリシティ・ジョーンズ演じるギンズバーグが、ハーバード・ロースクールに入学した数少ない最初の女性の一人として法曹のキャリアをスタートさせてから、性差別法の初期の事例となった税務事件での彼女の戦いまでを追っていく。映画の最後には、女優のジョーンズが最高裁の階段を歩いて上っていく感動的なシーンで締めくくられ、実在のギンズバーグが歩いているシーンに切り替わる。


『ハリエット』

 この伝記映画は、命をかけたアメリカの奴隷廃止論者、ハリエット・タブマンの物語を伝えている。シンシア・エリヴォ主演のこの2019年の伝記映画は、彼女の奴隷廃止論者としての活動の始まりから、南北戦争においての彼女の勝利までを追っている。自由のための闘争、そして一部が奴隷から解放されたとしても、残された人種差別な制度と継続して戦った彼女の勇姿にスポットライトを当てる。最終的に70人以上の奴隷を救うことになったハリエットは、アフリカ系アメリカ人女性として初めて新20ドル紙幣に採用された。


『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』

 1970年代に行なわれた男女の歴史的テニスマッチを題材にした、白熱のスポーツドラマ。映画『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが肉体改造して主演に挑んだ本作は、女子テニスの元世界チャンピオンであるビリー・ジーン・キングが、男女格差の激しいテニス界の現状に異議を唱え、テニス界の性差別に毅然と立ち向かった姿を描いている。


『未来を花束にして』

 1910年代のイギリスで、婦人参政権を求めて闘った女性たちの姿を描いた伝記映画、『未来を花束にして』。WSPU(女性社会政治同盟)のリーダーであるエメリン・パンクハーストの演説を聞き、デモにも参加するようになった女性が、女性の政治活動を不満に思う夫から家を追い出され、息子と会うことも禁じられ、職も失ってしまいながらも、権利のために戦う姿が描かれる。キャリー・マリガン、メリル・ストリープ、ベン・ウィショー、ヘレナ・ボナム=カーターらが出演している。


『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

 リチャード・ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞をあばいた事件を描く本作。ライバル紙であるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人、社主に就任していた女性キャサリン・グラハムが「経営か、報道の自由か」という大きな選択を迫られる。偶然にも男社会のトップに立つことになった女性が、苦悩しながらも、初めて自分の意思で決断を下すという瞬間は鳥肌モノ。

(フロントロウ編集部)

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