アメリカのコストコでチーズ不足が起きていることがわかった。予想以上に深刻なその理由とは?(フロントロウ編集部)

コストコからチーズが消える!?

 会員になれば食品や家電、衣類などあらゆる商品がお手頃価格で手に入ることから、日本でも大人気の会員制ウェアハウス・クラブのコストコ(Costco)。今、その本場アメリカのコストコでチーズ不足が起きていると米CNNが伝えている。

 主力商品のひとつであるチーズに一体何が? 人気すぎて供給が追いつかないということだろうか? 

 その原因はもっと複雑だった。CNNによると、現在、世界中で輸送コンテナが不足していることに加え、ロサンゼルス、ロングビーチ、オークランド、シアトルといった西海岸の主要港で渋滞が発生している影響で、輸入チーズの仕入れに遅れが出ているという。これにより、商品の出荷先はもちろんのこと、コストコのような小売業者にも遅延が生じ、業界全体のコスト上昇につながっていると報じている。

画像: ※イメージ写真です。

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 しかも、この問題はチーズに限らず、魚介類、オリーブオイル、家具、スポーツ用品、芝生・園芸用品などにも及んでいるそうで、コストコだけでなく、クロックス(Crocs)やアーバン・アウトフィッターズ(Urban Outfitters)といったアパレルブランドも同様の壁に直面しているそう。

急激な需要増加と新型コロナのダブルパンチ

 「サプライチェーンは限界に達している」。こう語るのは全米小売業協会の副会長を務めるゴールド氏。同氏いわく、アメリカの港は、現在、需要の急増に加え、数百という従業員が新型コロナウイルスに感染した影響による深刻な人手不足で、「入ってくる量を処理できていない状態」だという。

 その結果、コンテナが通常よりも長く港に滞留することになり、さらに空のコンテナを確保することが、国内外での困難になるという悪循環も引き起こしている。

 また、これまで航空貨物は海上輸送の8倍から10倍のコストがかかるため、つねに最後の手段だったが、航空貨物を利用する企業が増加。企業はそれによるコスト増を消費者に転嫁することを避けようとしているが、一部の小売業者は商品の値上げをすることで、コスト増を相殺せざるを得ないかもしれないとゴールド氏は説明している。(フロントロウ編集部)

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