グラミー賞最優秀ロック・パフォーマンス賞がすごい
第63回グラミー賞では、ある史上初が起こった。それは、最優秀ロック・パフォーマンス賞のノミネートが、全員女性アーティストとなったこと。2021年のノミネーションは、フィオナ・アップル、ビッグ・シーフ、フィービー・ブリジャーズ、ハイム、ブリタニー・ハワード、グレイス・ポッターとなっている。
USC Annenbergによると、今年のグラミー賞ノミネーションで女性が占める割合は28.1%となっているため、まだまだ改善すべきところは多いけれど、この史上初の出来事には、多くのファンや関係者が喜んだ。
そして、現地時間3月14日に開催された授賞式で、その受賞者が発表された。第63回グラミー賞最優秀ロック・パフォーマンス賞を勝ち取ったのは、フィオナ・アップル!
フィオナ・アップルがグラミー賞授賞式を欠席した理由
「クリミナル」によるグラミー賞受賞を皮切りに、これまでに8度のグラミー賞ノミネートを経験してきたフィオナが、ふたたび栄光を手にした。しかも今年は、「Shameika」によって最優秀ロック・パフォーマンス賞を、そして『Fetch the Bolt Cutters』によって最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞に輝き、一気に2つのトロフィーを得ることとなった。
しかしフィオナ、じつは今年のグラミー賞授賞式を欠席。その理由について、友人のインスタグラムに公開した動画で、こう説明している。
「私はグラミー賞と確執があるとはいえ、プロテストをしようとしているわけではない。それが理由で参加しないわけじゃない。その理由は、私が全国放送のテレビに映りたくないから。もう私は、そういう物事のために出来てない。私はシラフでいたいし、それをシラフですることはできない。私はそれに安心できない。人目にさらされて、じろじろ見られて、比較されることに。私はしたくない。だからやらない」
ショービズの世界で活躍するシンガーや俳優が、その注目からストレスを溜め、お酒やドラッグに依存するようになってしまうという話はよく耳にする。フィオナの言葉からは、その問題を意識させられるとともに、参加を辞退することになってもシラフでいたいという彼女の強い意思が感じられる。
今年の最優秀ロック・パフォーマンス賞の受賞者が、どのような思いを語るのかは注目されていたけれど、彼女のこの言葉もまた、考えさせられるものではないだろうか。
ちなみに、彼女は結果が発表された時には、寝ていたよう。彼女の友人は、「彼女を起こして、(結果を)知りたいか聞いた&彼女は目を閉じた」とツイートしている。(フロントロウ編集部)