2021年初夏にデジタル配信&ブルーレイリリースとなる映画『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。フロントロウでは、レビューを交えつつ本作について知っておきたいことを6つのポイントに絞ってご紹介。(フロントロウ編集部)

1、『ザック・スナイダーカット』とは?

 『ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット』(以下、『スナイダーカット』)とは、2017年に公開された映画『ジャスティス・リーグ』制作中に降板したザック・スナイダー監督が、初期構想に基づき、追加撮影、再編集した上で制作した作品。

 どちらの作品も、DCコミックスのスーパーヒーローが、宇宙から迫りくる敵と戦い地球を守るために、チームを組むという基本的なストーリーは変わらない。

 登場するのは、バットマン(ベン・アフレック)、ワンダーウーマン(ガル・ガドット)、フラッシュ(エズラ・ミラー)、アクアマン(ジェイソン・モモア)、サイボーグ(レイ・フィッシャー)、スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)。これまで手を組んだことのなかったこれらのヒーローたちが、バットマンの呼びかけによって集結する。

 ちなみにジャスティス・リーグというのは、DCコミックスにおけるヒーローチームで、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンをはじめとするメンバーで構成され、その登場は1960年代に遡る。

2、『ザック・スナイダーカット』制作の経緯

 なぜ再び同じ作品を作り直すのかと疑問に思うファンもいるかもしれない。

 その理由は、2017年の『ジャスティス・リーグ』制作中に、元々の監督であったザック・スナイダーがある理由で降板せざるを得なくなり、監督が途中でジョス・ウェドンにバトンタッチしてしまったところにある。

画像: ザック・スナイダー監督

ザック・スナイダー監督

 スナイダー監督が降板した理由は、制作中に20歳の娘のオータムが自殺してしまったため。その衝撃的な出来事を目の当たりにした彼は、これ以上制作を続けていくことができないと判断。妻で本作のプロデューサーでもあるデボラ・スナイダーは「彼は『もうこれはできない』と言った」米Insiderのインタビューで明かしている。

 スナイダー夫妻は『ジャスティス・リーグ』が完成する前に制作から手を引き、代わりに、映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』などのジョス・ウェドン監督が制作を引き継いだ。

 しかしウェドン監督バージョンの『ジャスティス・リーグ』に満足できなかった本国のファンは、#ReleaseTheSnyderCut(『スナイダーカット』をリリースして)というハッシュタグをSNSに投稿してスナイダー監督を応援。そんなファンの期待を背負った夫妻は、約2年の休息の後、映画会社のワーナー・ブラザースに働きかけ、ついに『ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット』をリリースするまでに至った。

画像: デボラ・スナイダー(左)、ザック・スナイダー(右)

デボラ・スナイダー(左)、ザック・スナイダー(右)

 そんな経緯で制作された『スナイダーカット』の本編には、娘オータムやファンへの愛があふれている。フロントロウ編集部が先行試聴した本編では、『ジャスティス・リーグ』で駆け足気味に作られていた部分がすべて丁寧に作り変えられ、より物語に入り込みやすくなった。また、エンドクレジットには、「For Autumn」と、亡くなった娘に捧げたメッセージが追加されている。

3、『シャスティスリーグ』を見ていなくても楽しめる!

画像1: ©JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

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 『スナイダーカット』は、DCコミックスのヒーローや映画に馴染みのない人や、2017年の『ジャスティス・リーグ』を見ていない人にとっても、オススメ。

 キャラクターのプロフィールや、それぞれの関係性、世界観など、『ジャスティス・リーグ』よりも分かりやすく、非常に丁寧に作られた作品のため、初見でもしっかり楽しめるようになっている。

 もちろん物語の背景を知っている人でももっと楽しめることは言うまでもない。元々のDCファンが楽しめる様々なネタが各所に溢れているうえ、2017年の『ジャスティス・リーグ』から様々な点がグレードアップしているので、細かな部分まで注目して。

4、4時間という長時間も問題なし!

 また、日本ではデジタル配信&ブルーレイリリースとなっている『スナイダーカット』は、物語がいくつかの章に区切られているうえ、それぞれの章がちょうどよく区切られているため、4時間ぶっ続けで見る必要はない。もちろん、何日かに分けてみても問題なし。

 けれど、スタイリッシュなアクションシーンとドラマパートのバランスが絶妙なため、続きが気になって、気づいた時には4時間経っていた…となるかも。それくらい面白い。また、『スナイダーカット』を見た後に『ジャスティス・リーグ』を見れば、さらに楽しめる。

5、『ジャスティス・リーグ』と『スナイダーカット』はどこが違う?

画像2: ©JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

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 『ジャスティス・リーグ』と『スナイダーカット』は、全くの別物と言っていいほどの違いがある。まず出だしから全く異なっているうえ、話の流れも、音楽の使い方も全く違う。

 本作には、スーパーヒーローたちが力を合わせチームで戦うという根本的なテーマがあるけれど、『スナイダーカット』ではそんな結束が『ジャスティス・リーグ』よりも見事に描き出されている。

 敵とのパワーバランスや、ヒーローそれぞれの見せ場、行動の理由、ギャグシーンの使い方など、監督によってこれほど違うのか、という驚きの連続。

 また、すでに伝えられているように、『スナイダーカット』にはジャレッド・レト演じるジョーカーも登場するうえ、その他の隠しキャラも…?

6、女性キャラの活躍は描かれる?

 DCコミックスは近年、女性のレプリゼンテーションをはじめに、女性の現状や権利などについて話し合いの場を設けたり、改善したりといった試みに注力している。

 例えば、ドラマでは初の黒人バットウーマンを採用したり、映画では『ハーレイ・クイン』や『ワンダーウーマン』などの女性ヒーローの単独映画を、女性主導で作ったり。そんななかで気になるのは、『スナイダーカット』でのワンダーウーマンと、彼女の故郷アマゾンの扱い。

 『スナイダーカット』では『ジャスティス・リーグ』でカバーしきれなかったアマゾン族の様子やダイアナの思い、そして行動が映し出され、より丁寧に、よりエモーショナルに描かれている。追加シーンも満載で、ワンダーウーマンことダイアナがどのようにして地球の異変に気づいたのかについても、詳細が明かされる。 

 また、『ジャスティス・リーグ』では、仲間がワンダーウーマンに女性性を感じているようなシーンがところどころ挿入されていたけれど、『スナイダーカット』ではそれがなくなっているというのも、ザック・スナイダー監督ならではの演出だろう。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』 
2021年 初夏、デジタル配信&ブルーレイリリース
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(フロントロウ編集部)

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