アジア系を含む8人が銃撃事件で死亡、オバマ元大統領やジョン・レジェンドらセレブが“憤り”

銃撃事件でアジア系を含む8人が亡くなる

　欧米でアジア系を標的にしたヘイトクライムが増加するなか、現地時間3月16日、アメリカのジョージア州アトランタとその近郊にあるマッサージ店3ヵ所で銃撃事件が発生し、アジア系を含む8人が亡くなったことがわかった。

　米CNNによると、最初に事件が起きたのは、チェロキー郡アクワースにあるヤングス・アジアン・マッサージ・パーラーで、アジア系女性2名を含む4名の犠牲者が出た。それから1時間も経たずして、今度はアトランタ北東部にあるゴールド・スパと、その向かいにあるアロマセラピー・スパでも同様の事件が発生。この2店で亡くなったのは全員アジア系女性だったという。

　3件とも同一人物による犯行で、防犯カメラに残された映像をもとに、警察はロバート・アーロン・ロング容疑者を逮捕した。犯行の動機は明らかにされていないが、犠牲者の半数以上がアジア系であったことや、アジア系女性が多く働くマッサージ店ばかりを狙った犯行から、アジア系に対するヘイトクライムとの見方が強い。

欧米でアジア系に対するヘイト犯罪が急増

　全世界で250万人超が亡くなっている新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されたのが中国だったことが原因で、1年前ほど前からアメリカをはじめとする欧米諸国でアジア系を標的にした嫌がらせや暴行事件などのヘイトクライムが急増している。

　コロナ前から人種差別や外国人嫌悪（ゼノフォビア）の問題は存在したが、コロナ禍でアジア系の人々にあからさまに敵意を示したり、暴力行為に及んだりする輩が目立つように。また、アメリカだけでなく、フランスなどのヨーロッパの国々でもアジア系に対する差別が増加傾向にあり、市民に差別行為や攻撃を促す内容の投稿がSNS上で拡散されているのが確認されたこともある。

ヘイト犯罪が疑われる事件にセレブが憤りを露わに

　今回のジョージア州での事件を受けて、アジア及び太平洋諸島系を標的にしたヘイト犯罪の撲滅を目指す市民活動団体Stop AAPI Hateは、「アトランタで発生したアジア系アメリカ人女性を狙った銃撃事件は、被害者の家族にとっても、ひどい人種差別に悩まされてきたAAPIコミュニティにとっても、言葉にならない悲劇です」とツイッターを通じて声明を発表。バラク・オバマ元米大統領やジョン・レジェンドといったセレブも憤りの声をあげている。

バラク・オバマ元米大統領

　「パンデミックとの戦いが続く一方で、アメリカでは銃による暴力が蔓延しており、その対策が遅れています。犯人の動機はまだ明らかになっていませんが、犠牲者の身元が判明したことで明白になった、アジア系に対する暴力の増加を食い止めなければなりません」

俳優のオリヴィア・マン

　「アジア系への暴力的な攻撃や殺人がいまだに起きています。私たちを助けてください。私たちの国で安全に暮らすためには助けが必要です。#StopAsianHate どうかお願い」

俳優のジョージ・タケイ

　「ヘイトクライムだと認めてください。そして、GOPのリーダーたちは、反アジアのレトリックで暴力を煽るのをやめてください。あなた方は自分たちが解き放ったものを恥じるべきです」

シンガーのジョン・レジェンド

　「本当に恐ろしいことです。亡くなられた方のご家族に心よりお悔やみ申し上げます。国はアジア系アメリカ人の人たちへの脅威が急激に増えている状況を精査する必要があります」

俳優のフローレンス・ピュー

　「今夜、アトランタのバックヘッドとチェロキー郡で起きたアジア系に対するヘイトクライムは、あまりにもひどく、本当に悲しい。犯人の男は新しい目的地に向かって車を走らせた。アジア系女性を狙って。銃乱射事件が起こるたびに、とても悲痛で破壊的なのに、アメリカはまるでそれがアメリカの一部であるかのように首を横に振り続けている。でもそうである必要はない。今回の事件は標的にされたのです。これは白人至上主義です。これはアジア系を狙った殺人です。今日、このクソ野郎（犯人）は8人を殺した。とくに理由もなく。彼はわざわざ別々のスパに行ってアジア系の女性を狙った」

俳優のジェイミー・チャン

　「犠牲者とそのご家族に心よりお悔やみ申し上げます。このような殺人事件や、数え切れないほどの暴力行為、企業への妨害、白人によるテロなどは、政治家や指導者が反アジアのレトリックの炎を煽り、世界的なパンデミックのスケープゴートとしてアジア系を利用したことが直接の原因です。歴史的に見ても、アジアからの移民は他人の不幸のスケープゴートにされてきました。でもそれもここで終わりです。それが何であるかちゃんと示すことから始まります。メディアへ。これがアジア系に対するヘイトクライムであると伝えて。#StopAsianHate」

俳優のラナ・コンドル

　「目を覚まして...。あなたのアジア系の友人や家族は、深く恐れ、おびえ、憤慨し、ひどく怒っている。どうか、どうか、お願いだから私たちを見て。どうか、どうか、お願いだから私たち一緒に立ち上がって。お願い。あなたのアジア系の友人は、たとえソーシャルメディア上で悲しんでいなくても、あなたを必要としている」

俳優のダニエル・デイ・キム

　「犯罪を犯した人の人種は重要ではありませんが、心に憎しみを持って行動するならば、あなたも問題の一部です。それから、助けられる力を持っているのに何もせずに傍観している人へ。あなたの沈黙は共犯です。#StopAsianHate」

NBA選手のレブロン・ジェームズ

　「アトランタのアロマセラピースパで起きた事件について、犠牲者のご家族とアジア系コミュニティ全体に哀悼の意を表したいと思います。この臆病者め!!! （※犯人に向けて）これは無意味で悲劇的な事件です」

俳優のミンディ・カリング

　「アジア系の兄弟姉妹が標的にされていることにはうんざりしますが、この1年でアジア系へのヘイトスピーチが常態化していることを考えれば、（今の状況は）驚くことではありません。私たちはアジア系に対する差別をやめなければなりません。もう限界です」

アジア系に対する「ヘイト犯罪」が急増、人種差別にセレブや企業が声をあげる【特集】 - フロントロウ -海外セレブ情報を発信

欧米でアジア系を標的にしたヘイトクライムが急増していることをうけて、多くのセレブや企業が人種差別反対を訴えている。（フロントロウ編集部）

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（フロントロウ編集部）