アカデミー受賞したあと3週間にわたって身を隠す
映画『アイアンマン』シリーズや『アベンジャーズ』シリーズといったマーベル作品への出演で知られ、約12年前から美容やウェルネスに特化したライフスタイルサイト「Goop(グープ)」を運営する実業家でもある俳優のグウィネス・パルトロウが、1999年に映画『恋に落ちたシェイクスピア』でアカデミー主演女優賞したあと、約3週間にわたって家に引きこもっていたことを明かした。
先日、俳優仲間のアンナ・ファリスがホストを務めるポッドキャスト番組『Anna Faris Is Unqualified(原題)』にゲスト出演したグウィネスは、として、当時の心境についてこう振り返った。
「(アカデミー賞を)受賞して流れが変わったような気がする。注目度の高さと熱量にものすごく圧倒された。受賞したあと、サンタモニカの両親の家で過ごしたのを覚えてる。3週間くらい引きこもって身を隠した。あれは強烈な出来事だった。“孤独”という言葉が一番しっくりくるかもしれない。すごく変な感じがした」
みんなは祝福してくれたが、当時26歳だったグウィネスは受賞を素直に喜ぶよりも“私なんかが…”と思ってしまったそうで、しばらくのあいだ人目を避ける生活を送っていたことを告白。
続けて、「最も奇妙で、最も現実的な時間だった。オスカーにノミネートされたことに当惑しちゃって。おまけにインポスター症候群だったから、『こんなことが起こるなんて信じられない。私はそんなに優秀じゃない。みんな私のことが嫌いなのかな?』って。それに、(ノミネートされるなんて)クールだけど、自分が受賞するわけないと思ってた」と、アカデミー賞にノミネートされたことで自信を得るどころか、逆に自信喪失してしまったと語った。
「インポスター症候群」とは?
インポスター症候群とは、自分の成功を素直に肯定できず、もし何か目標を達成したりしても、それは「自分の実力ではなく、運が良かっただけ」と感じたり、「いつか自分の実力の無さが露呈してしまう」と不安を抱いたりしてしまう傾向のこと。
異常なまでに自己評価が低く、「自分は詐欺師だ」、「周囲を騙している」などと感じる人が多いため、別名「ペテン師症候群」、「詐欺師症候群」とも呼ばれているこの症状は、海外で行なわれた研究では、7割近くの人が経験していることも明らかになっており、社会的に成功した人物、とくに女性が陥りやすいと言われている。
その原因としては、さまざまなものが考えられているが、幼少期や学生時代に受けた周囲からのプレッシャーや大人になってから経験したトラウマ的な出来事、社会的な風潮などが影響している場合が多いという。
アカデミー賞受賞後に訪れた心境の変化
ちなみに、映画『恋におちたシェイクスピア』でアカデミー主演女優賞を受賞してすぐ、自分は「演技をするのはそんなに好きじゃない」ことに気づいたというグウィネスは、俳優としてブレイクしたことで感じるプレッシャーや、好奇の目に晒されることに耐えられなくなり、次第に俳優業への情熱も失っていってしまったという。
以前、「誰かと破局するたびにニュースの見出しになり、何を言っても何を着ても批判される。それにとにかく移動が多くて、つねに違う場所にいたから、どこか一箇所に根を下ろすのが難しかった。私のことを知ってる人はわかると思うけど、私はすごく家庭的なタイプで、古い友人と一緒に過ごしたり、(家で)料理をしたり、子供たちを思いっきり可愛がったりするのが大好きなの。ブダペストのホテルでひとり寂しく6週間も過ごすなんて無理。そんなの私じゃない」と、米SiriusXMのラジオ番組『Quarantined with Bruce(原題)』で語っていたグウィネス。
実際、マーベル作品やNetflixのオリジナルドラマ『ザ・ポリティシャン』に出演しているものの、以前と比べてスクリーンで見る機会がめっきり減っており、俳優業よりもGoopの運営に力を入れている。(フロントロウ編集部)