Photos: ニュースコム、スプラッシュ/アフロ
映画『タイタニック』や『ターミネーター』などで知られるジェームズ・キャメロン監督から名づけられたカエルがいることをご存知?(フロントロウ編集部)

カエルの「ジェームズキャメロニ」

 2012年にベネズエラのアプラダという山の上で発見され、2013年にベルギー王立自然科学研究所とブリュッセル大学のベルギー人生物学者フィリップ・J・R・コックによって正式に文献として記載されたツチガエル科のカエルがいる。

画像: ©︎ Philip J. R. Kok

©︎ Philip J. R. Kok

 20〜27ミリと極小サイズで、橙褐色のボディに無数の白い斑点が特徴的なこのカエルの名前は、なんとハリウッドの巨匠と同じジェームズ・キャメロン! 実際の学名は「プリスティマンティス・ジェームズキャメロニ(pristimantis jamescameroni)」だけれど、このカエルは実際にキャメロン監督の名前から命名されたもの。

画像: カエルの「ジェームズキャメロニ」

 こちらが、キャメロン監督と並べたジェームズキャメロニの写真。似ているだろうか? もちろん似ているわけはないが、監督の名前がつけられたのは見た目が理由ではなく、キャメロン監督のこれまでの取り組みが理由。

ジェームズ・キャメロンは映画界を代表する環境保全家

画像: アースデイのイベントでマイクを持って環境問題について訴えかけるジェームズ・キャメロン監督。

アースデイのイベントでマイクを持って環境問題について訴えかけるジェームズ・キャメロン監督。

 今でこそ自然環境を守るための取り組みは当たり前の時代になったけれど、キャメロン監督は、2009年の映画『アバター』に気候変動を意識したテーマを織り込むなど、世間で気候変動の話題が盛り上がるずっと前から環境保全の重要性を訴えてきた人物。さらにプライベートでは、地球環境のためにビーガン食(完全菜食主義)を周囲に勧めるなど、環境問題への取り組みは監督のライフワークとなっている。

画像: ジェームズ・キャメロンは映画界を代表する環境保全家

 新種のカエルをプリスティマンティス・ジェームズキャメロニと命名したフィリップ・J・R・コック博士は、ヨーロッパ分類学ジャーナル(European Journal of Taxonomy)にて、「(今回の命名は)質の高い超大作映画や冒険的なドキュメンタリー映画の先駆者として、一般の人々に環境問題を警告する努力をしてきた、カナダの映画監督、プロデューサー、環境保護者、探検家ジェームズ・キャメロン氏を称えるためです。また、ジェームズ・キャメロン氏は、地球の気候変動のような、人類の環境への影響を軽減するための効果的な方法の一つである動物性食品を排除した食事であるビーガンを人々に勧めています」とした。

 ちなみにジェームズキャメロニは生息地が限られていることから、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて2021年現在、ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い「深刻な危機」に分類されている。発見当初はその一段階下の「絶滅危惧種」に分類されていたため、ジェームズキャメロニにとって状況は悪化していることがわかる。

キャメロン監督、2021年アースデイに新作『クジラと海洋生物たちの社会』が配信

 環境保全への取り組みが学者の間でも評価されているジェームズ・キャメロン監督が、2021年、新たな自然ドキュメンタリー・シリーズ『クジラと海洋生物たちの社会』を制作。

 4月22日(木)よりディズニーの公式配信サービスDisney+ (ディズニープラス)で配信される本作は、クジラの並外れたコミュニケーションスキルと、人間の世界とよく似ているクジラたちの社会構造の謎を、キャメロン監督の制作総指揮のもと、ナショナル ジオグラフィック誌を代表する水中写真家であるブライアン・スケリーが撮った映像と、シガニー・ウィーバーのナレーションで描く、壮大なシリーズ。

 4月22日は地球環境について考える日であるアースデイ。そんな日に、ジェームズ・キャメロン監督が今伝えたい自然の物語を見て、監督の環境保全への情熱を称えたい。(フロントロウ編集部)

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