ディズニープラスのドラマをやった理由は…
ドラマ『ビッグショット!』では、カッとなる性格のせいで男子大学バスケ界から追放された鬼コーチのマーヴィン・コーンが、キャリアを取り戻すためにエリート女子校のバスケットボール部をコーチすることになる。スパルタなマーヴィンとイマドキの女子高生たちは最初こそぶつかり合うのだけれど、少しずつお互いから良いところを吸収し合い、それぞれが自分自身と向き合って成長していく。
そんなフィールグッド・スポーツ・ドラマで主人公マーヴィンを演じたジョン・ステイモスに役にひかれた理由をフロントロウ編集部が聞いてみると、「ディズニープラスに、僕を日本に飛ばしてもらって、ディズニー東京シー(東京ディズニーシー)とディズニーのパーク(東京ディズニーランド)に行けるようにしてもらえることを知っていたからだよ」と、まさかの回答。
もちろんこれはジョンのユーモア溢れるジョークだけれど、この後、ジョンの東京ディズニーランドと東京ディズニーシー愛が炸裂することに。
「言わせてもらうよ。あそこは世界最高なんだ。僕が一番好きなところだよ。僕は2度行ったと思う。(東京は)街が大好きだし、人々が大好きだ。なんて素晴らしいところなんだろう。僕は、息子を東京に連れて行くのが待ちきれないよ。なぜなら、息子は、いろんなライトとかテクノロジーできっとクレイジーになるだろうからね」
ジョンには、2018年に俳優やモデルとして活躍する妻のケイトリン・マクヒューとの間に第1子となるビリーが誕生。ドラマ『ビッグショット!』の撮影現場にビリーを同行した時には、女子高生役のキャストたちに囲まれて笑うビリーの写真をSNSにアップして、「私が(撮影現場で)最も魅力のないステイモスになってしまった」と、ビリーの可愛さにデレデレだった。海外旅行ができるようになったら、ぜひビリーと一緒に来日して、東京や、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーなど、しっかり満喫してもらいたい。
実はスポーツは苦手! 役作りに苦労した理由がいい人すぎる
ジョンがバスケットコーチのマーヴィン役に興味を持った本当の理由は、ドラマ『ビッグ・リトル・ライズ』や『アリー my Love』でエミー賞を受賞している名プロデューサーのデヴィッド・E・ケリーがエグゼクティブ・プロデューサーを務めていたから。
「いつも彼と仕事をしてみたかったんだ」と語るジョンだけれど、バスケットボールのコーチと聞いて実はがっかりしたという。「僕は『おお、ノー!』って思ったよ。僕はすべてのスポーツにおいてひどいからね。スポーツは好きじゃない。スポーツをプレーしたことは一度もない。僕は高校でバンド・オタクだったんだ。今もバンド・オタクだ。それで、『わからないよ』と言った。だから、すごく大きなチャレンジだった」とジョン。
そこでジョンは、プロの選手やコーチと実際に時間を過ごしたほか、ボビー・ナイトをはじめとした実際の有名スポーツコーチの映像を研究。さらに、鬼コーチという役に入り込むために、最初の数エピソードを撮っている間は、あえて女子高生役の俳優たちとは関わらないようにしたという。
ただ、セットではいつもふざけているというジョンはこれには苦労したそうで、「撮影していない時に、彼女たちと関係を持ちたくなかった。撮影している時にも、彼女たちと関係を持ちたくなかった。キャラクターのままでいることはとても重要だと思ったんだ。普通そういうことは決してしないんだけどね。でも、この番組では、そうすることが助けになると思った。そして実際そうだった。それがうまくいったと思う。でも、それは僕にとっては大変だった。なぜなら、人々のことを知るのが大好きだからだね」と振り返った。
そんなジョンが鬼コーチキャラを初めて現場で演じたのが、マーヴィンが怒りを爆発させる第1話の冒頭シーン。実はその日は『フラー・ハウス』のファイナル・エピソードの撮影日と被ったそうで、「子供たちが結婚するとか何とかで、とてもエモーショナルで、感傷的なシーンをやっていた。それから、町の反対側に運転して行って、大きなバスケットボール選手たちを怒鳴らないといけなかったんだ。まったく違うものだった」と面白エピソードを明かした。
スポーツ界にある性差別に気づかされる
ジョンはフロントロウ編集部とのインタビューの中で、スポーツ界にある男女差別についても触れた。ドラマにも登場するNCAA(全米大学体育協会)は、ちょうど2021年3月に、バスケットボールのトーナメントにおける男子と女子の練習環境の差を女子選手によってSNSで告発されて謝罪。環境の改善が約束された。
@ncaawbb @ncaa this needs to be addressed. These women want and deserve to be given the same opportunities.
— Ali Kershner, MS, CSCS (@alikershner) March 18, 2021
3 weeks in a bubble and no access to DBs > 30’s until the sweet 16?
In a year defined by a fight for equality this is a chance to have a conversation and get better. pic.twitter.com/jFQVv1PlUt
※左が女子選手の筋トレエリア、右が男子選手の筋トレエリア。
これについてジョンは、「つい最近、NCAAの女性トーナメントで大きなニュースになったことがあるんだ。男女不平等があるということがね。女性のジムと男性のジムの施設に大きな差があって、その情報がネットで急速に広まった。ひどかったよ。本当にひどかった。それで、NCAAは謝罪したんだ。そういうことが起きるなんて僕たちはまったく知らなかった。それは、僕たちの番組が描いている大きな部分なんだ」と語り、ドラマの配信に合わせてタイムリーな問題提起が行なわれていることを歓迎。
「(主人公のマーヴィンは)こういう環境でやって来た人で、彼には先入観があった。そして、彼はそれを取り除きたくなかった。そうだよね。彼は、これらの思い込みが時代遅れだということに目覚めたくなかったんだ。また、彼が彼女たちに多くのことを提供できるのと同じように、彼女たちは、彼に多くのことを提供できるということにも気づきたくなかったんだ」と語ったジョンは、最後に、「僕たちがたくさんそういうことを描けて良かったよ」と、マーヴィンと生徒たちの交流を通してさまざまなメッセージが本作で描かれていることを誇らしそうに語った。
ドラマ『ビッグショット!』は2021年4月23日よりDisney+ (ディズニープラス)で配信スタート。(フロントロウ編集部)