10代でLGBT当事者であることをカミングアウトした、ジョジョ・シワやザヤ・ウェイドといった「LGBTユース」の言葉が心に響く。(フロントロウ編集部)

「LGBTユース」の存在が私たちに教えてくれること

 LGBTQ+の人たちに対する理解が年々高まっていることや、気軽に意見や情報交換ができるSNSの普及によって、以前と比べて若い年齢でカミングアウトする人たちが増えている。早ければ10代で公表する人もおり、学校側もLGBTQ+の生徒に配慮した校則を取り入れるなど、社会全体が変わりつつあるなか、とくに注目されているのが社会的に影響力のあるLGBTユースの存在。

画像: 「LGBTユース」の存在が私たちに教えてくれること

 ジョジョ・シワやザヤ・ウェイドといった表舞台で活動するヤングセレブが、自分たちと同世代の若者に与える影響は言わずもがなだが、親世代も、当事者にしかわからないことや子供だからこその葛藤などを代弁する彼女もしくは彼らの言葉から学ぶことは多い。

ジョジョ・シワ

 フロントロウでお伝えしたが、アメリカで10代の若者を中心に絶大な人気を誇るユーチューバーのジョジョ・シワは、今年1月、LGBTQ+コミュニティの一員であることをカミングアウト。現在17歳のジョジョは、とくにローティーンと呼ばれる10代前半の子供たちから厚い支持を得ていることもあり大きな話題となった。

 保守派の親たちから“もうウチの子にはあなたの動画は見せない”などといった反発する声があった一方、その勇気と行動力を称えるコメントが相次ぎ、新たなアイコンとしてポジティブなメッセージを発信することが期待されている。

画像: ジョジョ・シワ

 「私たちのまわりには、それを受け入れてくれる人、ありのままの自分を愛してくれる人がたくさんいる。だから大丈夫。それを普通じゃないと言う人がいるかもしれないけど、そもそも普通なんてものは存在しない。普通の人なんていないし、仮に普通じゃなかったとしても何の問題もない。他人とちょっと違っても、変でも、奇妙でも気にすることないよ。(他人と違うことを)私たちは絶対に恐れちゃいけない。むしろ誇りに思うべきだと思う。大切なのは、今が自分史上最高にハッピーってこと」

ザヤ・ウェイド

 2019年に現役を引退した元NBA選手のドウェイン・ウェイドの愛娘ザヤ・ウェイドは、約2年前にトランスジェンダーであることを世間に公表。 

 当時まだ12歳だったザヤがトランスジェンダーとして生きることを決断し、それを公にしたことに反発する声も少なくなかったが、ドウェインとザヤが公表に踏み切るまでにどういったステップを踏んだのかが明かされると、2人を応援する声のほうが大きくなり、今ではすっかりザヤと同じ境遇にある子供やその家族の“お手本”のような存在として多くの人たちから支持されている。

画像: ザヤ・ウェイド

 「私たちはみんな、自分と同じような人と一緒にいることで成長できると思っているけれど、自分とは異なる視点を得るほうが、自分にとっては大きな助けになると思う。少なくとも私はそのおかげで本当の自分になることができたし、自分の真実を定義する上で間違いなく助けになった」

リル・ナズ・X

 2019年、異色のカントリーラップソング「Old Town Road(オールド・タウン・ロード)」がアメリカで空前の大ヒットを記録し、まさにこれからという時に同性愛者であることをカミングアウトしたリル・ナズ・X

 近年、LGBTQ+コミュニティーへの理解を求める動きが活発化している影響もあり、状況は変わりつつあるものの、黒人社会ではいまだにLGBTQ+の人たちへの差別が根強く残っており、ヒップホップ界はショービズ界のなかでもLGBTQ+への風当たりが強く厳しい世界だと言われている。そのため「黒人」でなおかつ「ラッパー」のリル・ナズが、自身のキャリアがやっと好調の波に乗りはじめたタイミングで自身のセクシャリティを公表したことは、ショービズ界だけでなく社会全体に大きな衝撃と影響を与えた。

画像: リル・ナズ・X

 「たとえ君が15歳だろうが、30歳だろうが、55歳だろうが関係ない。(カミングアウトする)“機会を逃した”と思ってる人たちに言いたい。“その時”はいつでも君のことを待っている」

(フロントロウ編集部)

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