『エレンの部屋』が19年の歴史に幕を閉じる
これまでにシンガーのジャスティン・ビーバーや俳優のレオナルド・ディカプリオといった数々のスターをゲストに招いてきた人気トーク番組『エレンの部屋』が、2022年に放送されるシーズン19をもって放送を終了することがわかった。
同番組の司会を務めるエレン・デジェネレスは番組終了について、米The Hollywood Reporterに次のように語っている。
「3,000回目を迎えた時、ハイライトのモンタージュが映し出されてみんなが感動した。みんなでハグをして、全員、目に涙を浮かべた。上層部の人がそこにいて、『本当に(番組を)終わらせたいのか?』と私に言った。だから『最後の日は本当につらいと思うけど、その時がきたということはわかっている』と伝えた」
「私はクリエイティブな人間で、クリエイティブな人間はつねに挑戦する必要がある。それがアカデミー賞の司会を引き受けた理由であり、自分でもそうなるとは思っていなかったスタンドアップコメディの場に戻ることにした理由でもある。私には挑戦するものが必要だった。この番組は素晴らしいし、楽しいけど、私にとってもう挑戦ではない。今の私には何か新しいチャレンジが必要なの」
番組終了はパワハラ騒動が原因ではない
フロントロウでも何度かお伝えしたが、昨年7月、『エレンの部屋』の元スタッフと現スタッフから番組プロデューサー陣によるセクハラやパワハラ、差別発言といった悪質な職場いじめ、さらには給料の未払いなど劣悪な労働環境を告発する声が相次いだことがきっかけで、炎上騒動に発展。
スタッフ間のトラブルとはいえ、エレンがハラスメントなどの事実を“まったく知らなかった”というのは無理があるとして、番組関係者だけでなくエレン本人に対する批判の声も多くあがり、一度は番組の存続も危ぶまれたが、当該のプロデューサー3名が責任を取るかたちで番組から外れ、昨年9月に新体制での新シーズンがスタートした。
この騒動後に番組を終わらせることを決断したのは事実だが、エレンは番組終了とそのことは無関係だと話す。「すごく傷ついた。ものすごくね。でもそれが理由で番組を辞めるなら、今シーズンは戻ってこなかった」。
ちなみに、番組が終わったらどうするのかという問いに対してこう答えている。
「私自身、その答えはわからない。ずっと考えていたんだけどね。いくつかのアイデアがあるけど、私のエージェントは、『少しじっとしていたらどう?』って言ってる。あなたは自分がどれだけ疲れているのか、じっとしていることがどんなことなのか分かっていないでしょって。いつまでそうしていられるかはわからない。私はフェラーリのニュートラルのような感じだから(笑)。私はつねに前進しなければならない。だから、それが私の最初の挑戦であり、そのあとどうするのかはおいおい決めていく。映画やTVドラマをやめたときには、まさか自分がトークショーをやることになるなんて思ってもみなかった。それ(役者)が唯一の道だと思っていたから。それが突然、トークショーをやることになって、19年ものあいだ旅に出ることになった」
(フロントロウ編集部)