『タイタニック』では、当時の時代のシーンは2時間40分になる。その時間に込められた意図とは?(フロントロウ編集部)

細部にも魅力が多い『タイタニック』

 アカデミー賞史上最多ノミネート、最多受賞を誇る1997年公開の映画『タイタニック』は、1912年に起こったタイタニック号沈没事件をベースにしたラブロマンス。公開から24年が経った現在でも、主演を務めたレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットの代表的作品となっている。

画像1: ⓒPARAMOUNT/20TH CENTURY FOX

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 本作はまた、SF映画の巨匠であるジェームズ・キャメロン監督の多岐にわたる才能を見せつけた。ちなみに、劇中で登場するジャックが描いたローズの裸の肖像画は、じつは監督が描いたものであり、ジャンルを越えてヒット作を生み出すだけでなく、絵の才能も披露した。

 当時で歴代最高額だった製作費2億ドル(約220億円)を投じて作られた本作において、監督は細部までこだわったことで知られており、エキストラが演じたキャラクターたちにまでバックストーリーを作ったり、ジャックとローズが浸水した大階段の前を逃げるシーンは、計算された状態のなかで撮影するために、一発取りで完成させたりしたというエピソードがある。

 しかし、多くの人は気がつかない“あること”にも、鳥肌モノの秘密が隠されていた。

「時間」に込められた意図

 米CBCによると、『タイタニック』の上演時間は3時間15分だけれど、そこから現代のシーンとエンディングクレジットの映像を取り除くと、2時間40分になる。この「2時間40分」に、意味がある。

 じつはこの時間、タイタニック号が実際に海に沈むまでにかかった時間!

画像2: ⓒPARAMOUNT/20TH CENTURY FOX

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 実際のタイタニック号沈没事件では、2匹のポメラニアンと1匹のペキニーズが生き残ったことから、キャメロン監督は作品の中で、現在の年を重ねたローズとともにポメラニアンを登場させた。

 しかし、劇中での分かりやすいオマージュではなく、作品全体の時間を使って示した敬意は、最大級のオマージュと言えるのではないだろうか。キャメロン監督が巨匠と評されるゆえんは、こういった細部の作り込みにもあった。(フロントロウ編集部)

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