H.E.R.、ティーンバンドに加入していた
ハスキーで深みのある歌声にくわえて、メッセージ性の高い歌詞で人々の心を掴んでいるR&BシンガーのH.E.R.(ハー)は、2020年5月に亡くなったジョージ・フロイド氏ら、警察によって殺害された黒人たちに捧げる楽曲「I Can’t Breathe」が第63回グラミー賞の最優秀楽曲賞を受賞。
また第93回アカデミー賞では、映画『ユダ&ブラック・メシア』のサウンドトラックに収録された「Fightfor You」が歌曲賞を受賞して、わずか1年のうちに23歳にして、エンタメ界最高峰の栄誉といわれるEGOT(※)獲得への階段を2つも駆け上がった。
※エミー賞(Emmy)、グラミー賞(Grammy)、アカデミー賞(Oscar)、トニー賞(Tonyの4つのアワードを制すること。それぞれのアワードの名称(アカデミー賞は通称)の頭文字をとって「EGOT」と呼ばれる。
ギターを抱えたパフォーマンスが主流となっているH.E.R.といえば、ドラムの腕前も見事なことで知られているけれど、子供の頃から音楽活動をしてきたH.E.R.は、じつは10代の頃に「ポップライフ(Poplyfe)」というティーンバンドに参加していた。
ケラーニがボーカル、ゼンデイヤ加入の計画も
音楽やダンスの才能を持つティーンたちが集められた、アイドル的要素も強いポップライフは2011年に放送された米オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』の第6シーズンに出場したことも。
この頃にはすでにH.E.R.はグループを脱退していたが、同グループのボーカルを務めていたのは、映画『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年公開)のサントラに収録されたラッパーのGイージーとのコラボ曲「グッド・ライフ」でブレイクしたシンガーのケラーニだった。
自身がポップライフのメンバーとして活躍していたときのことを、米トーク番組『TheCarlos Watson Show』で振り返ったH.E.R.は、ケラーニと「バンドを組んでいたの。まだすごく若かった頃に一緒にパフォーマンスをしていたんだ」とコメント。
さらに、「ある時には、ゼンデイヤが加入する計画もあったんだよ」と、ディズニーチャンネル出身で現在はおもに俳優として活躍しているものの、過去にはシンガーとしてデビューした経験もあるゼンデイヤがポップライフのメンバーに加わるという話も浮上したことがあると明かした。
現在は、それぞれソロアーティストとして成功を収めているH.E.R.とケラーニ、そして、ドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』で第72回エミー賞ドラマ部門の最優秀主演女優賞を獲得したゼンデイヤが1つのグループに集結しそうになっていたとは驚き。
いまやショービズ界の未来を担うスターとなった3人が、バンドメンバーとして一緒にパフォーマンスする様子も見てみたかったけれど、あまりにも大きな才能が一カ所に集うとバッティングしてしまいそうなので、もしかしたら実現しなくて良かったのかも? (フロントロウ編集部)