注目度が上昇する「メノテック」とは
近年関心が高まっているのが、生理をはじめとした女性が抱える悩みをテクノロジーで解決するフェムテック。米調査会社フロスト・アンド・サリバンによると、その市場規模は、2025年までに約5兆円にまで膨らむ見通しだという。そんなフェムテックの中で、新たなカテゴリーとして話題を呼んでいるのが「メノテック」。
メノテックとは、更年期や閉経を意味するメノポーズ(menopause)とテクノロジーをかけ合わせた造語で、閉経前後の各5年ほどを指す更年期を快適に過ごすためのテクノロジーのこと。
更年期には、女性ホルモンの分泌のバランスが変わるため、個人差はあるものの心と身体にさまざまな影響が出ると知られている。45歳以上の1,000人を対象にした英Forth with lifeの調査では、更年期に関する悩みが職場生活になんらかの影響を与えたと答えたのは、回答者の63%にものぼったという。メノテックは、そんな更年期のライフスタイルをサポートしてくれる。
日本ではまだなじみのない言葉だけれど、海外では急激に注目度が高まっていて、米国の大手広告代理店であるワンダーマン・トンプソンのトレンド予測「THE FUTURE 100」にも選ばれるなど、今後大きなトレンドになると言われている。
海外ではさまざまなメノテック製品が登場
注目のカテゴリーであるだけに、海外ではサプリメントやスキンケア製品など続々と新たなメノテック製品が登場。
俳優のグウィネス・パルトロウは、自身が手掛けるライフスタイルブランドGoopから、更年期の栄養をサポートするためのサプリメント「Madame Ovary」を発売。またグウィネスは、Goopのサイトを通じて自身の経験を積極的に発信するなど、これまでタブー視される傾向があった更年期や閉経に関するイメージを変えようという取り組みも行なっている。
更年期はホルモンバランスの変化によって、これまでとは違った肌悩みも起こりやすいと言われている。そんな更年期の肌悩みに特化したスキンケア製品を専門的に展開するのが、NY発のコスメブランドであるWomaness。
Womanessは、米メディアWho What Wearで小売部門の最高責任者を務めた経歴を持つサリー・ミューラー氏と、米大手小売チェーンTargetのマーケティングなどを手掛けていたミシェル・ジェイコブス氏が今年の3月に立ち上げたブランド。産婦人科医や皮膚科医も監修した安全性の高い製品を展開しており、顔のスキンケアからボディケア、インナーケアまで幅広い製品ラインナップが魅力。
製品だけでなくサービスも増加
そして製品だけでなく、メノテックにまつわるサービスも急激に増加中。アメリカ発のスマホ用アプリ「Caria」は、更年期のさまざまな悩みを記録することで、専門的なアドバイスを受けられるというサービス。更年期の悩みには個人差があるけれど、その人の状態に寄りそったアドバイスでサポートしてくれる。
海外で注目を集めるメノテックは、フェムテック同様に今後さらに大きなカテゴリーになっていきそう。(フロントロウ編集部)