『TWD』でステレオタイプを壊したミショーン
10年以上にわたって続くドラマ『ウォーキング・デッド』にシーズン2からシーズン9まで出演し、人気を博したミショーン。演じたダナイ・グリラは、ミショーンというキャラクターによって、黒人女性キャラクターにありがちな多くのステレオタイプを壊すことができたと感じているという。
例えば、ミショーンのトレードマークである武器が日本刀であることは「すごく興味深い」として、原作者のロバート・カークマンを常々絶賛していたという彼女は、米Unstereotype Alliance Global Member Summitで、ステレオタイプを壊すには、ほんの少しの人のサポートが必要だと話す。
「私にとって、それはステレオタイプを壊すためのものだった。本当に聞こうとしてくれる少しの人がいるだけで実現できる。人々が求めているもの、人々が慣れ親しんでいるものだと思い込んで、ステレオタイプに陥ってしまう面もあると思う。でも、『ノー。私はこの人物の本当のところについて、キャラクターの意味のある旅路について耳を傾けている』って感じで、『それ(ステレオタイプ)じゃない。別のものだ。私たちはその方向に進む』という人もいる」
『TWD』ミショーンとリックの関係は過激じゃない
そして、ドラマのショーランナーであるアンジェラ・カンとスコット・M・ギンプルについて、「(ミショーンというキャラクターが)築かれていくなかで、多くのステレオタイプを裂いてくれた。彼女のバックストーリーが明らかになった時や、彼女のパートナーが誰か明らかになる時に」と感謝の気持ちを語ったダナイは、ファンの間で賛否両論となったミショーンと主人公リックが恋人関係になったことについて、口を開いた。
「みんなは、私のキャラクターとリック・グライムズがカップルになったことは、非常に大きく、そして過激なことだと思った。そう言われるとそうかもしれない。でも、本当にそうであるべき?あれもまた、ステレオタイプを絶った。主人公の男性が、かっこ良い白人男性の主人公が、誰と一緒になるかということに関してね。というか、あの2人のキャラクターの間に絆があったことは明らかで、となればあなたは何に耳を傾ける?だから私は、本当に耳を傾けてくれる人は数人で良いと言ったの。それでステレオタイプを壊せる」
『ウォーキング・デッド』は、ミショーンだけでなく、すべてのキャラクターの描き方において、ステレオタイプから自由になろうという視点を持っている作品。ダナイは、キャラクターたちの性格や関係性を純粋に見た時、ミショーンがリックと親しくなったのは当然の展開だったと考えていると明かした。
(フロントロウ編集部)