故ヒース・レジャーと『恋のからさわぎ』で共演したジュリア・スタイルズが、生前の彼の態度を称賛した。(フロントロウ編集部)

フラットな姿勢を貫いたヒース・レジャー

 映画『恋のからさわぎ』や『ブロークバック・マウンテン』、『ダークナイト』などの演技で高い評価を受けながら、2008年に28歳で突然この世を去ったヒース・レジャーは、その死から13年が経つ現在でも、多くの俳優仲間が彼について語ることを止めない人望を持つ。

 2005年に公開され、ヒースにアカデミー賞主演男優賞ノミネートをもたらした『ブロークバック・マウンテン』で、ヒースの同性の恋人を演じたジェイク・ギレンホールは、当時今よりもLGBTQ+への差別があった時代において作品をからかう人物もいたが、ヒースは「やめろよ。これは愛についての話なんだ」と、しっかりと声をあげていたことを明かしている

 その逸話からも感じられるとおり、芯の通った性格をしていたヒースは、多くの物事において、環境に流されない姿勢を持っていたよう。1999年に公開されて大ヒットを記録した『恋のからさわぎ』でカトリーナを演じたジュリア・スタイルズは、相手役だったヒースの態度について、米ポットキャスト番組『PEOPLE in the '90s』でこう振り返った。

 「ヒース・レジャーは礼儀正しかった。より経験を得た今、私はそれについて一層感謝してる。彼は私に対抗してくることはなかった。後ろに下がって、これは君のシーンだからって感じだった」

画像: フラットな姿勢を貫いたヒース・レジャー

ハリウッドにおける男性優位

 職場や家庭や友人たちの会話の中などさまざまなシーンで男性が女性より上に立とうとする問題について、映画『ブックスマート』で知られるオリヴィア・ワイルド監督は、制作者としての実体験からこう明かしている。

 「あまり知られていない事実:ほとんどの男性俳優は、女性が主役の映画で脇役をやりたがらない。それはこの業界がそういった役を引き受けると、パワー(=資産価値)が低下すると彼らに信じ込ませているから。女性の物語に焦点を当てた映画の資金繰りが難しい理由のひとつはそこにある。冗談抜きに、女性がスポットライトを浴びることにどういった価値があるのか理解している男性俳優を見つけるのは、すっごく難しいこと」

 そのような環境のなかで、さらに22年前という時代に、女性の後ろに下がってサポートしたというヒースの姿勢は、珍しかったと想像できる。

 キャリアの初期に『恋のからさわぎ』に出演したジュリアは、その後、『ジェイソン・ボーン』シリーズや『オーメン』、『世界にひとつのプレイブック』など、様々な作品に出演してきた。その経験のなかで、ヒースのような男性が多くはないことを知ったというジュリアは、続けてこう語った。

 「映画のなかでは、彼の素晴らしい瞬間もあった。歌って、踊って、階段を駆け上がったり下りたり。でも彼には自信があって、『舞台を君に渡すよ』となることができた。そしてそれはいつも起こることではないと、その後の人生で学んだの」

(フロントロウ編集部)

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