ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ』
ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』が、現在開催中のカンヌ国際映画祭でプレミア上演され、評判になっている。
これまでも『ダージリン急行』や『グランド・ブダペスト・ホテル』、『犬ヶ島』など、彼らしい映像と世界観で世界中の映画ファンから支持されてきたアンダーソン監督。20世紀フランスを舞台にした『フレンチ・ディスパッチ』も、監督らしさ全開で、そのキャストにも個性派俳優が集結している。
そんな『フレンチ・ディスパッチ』から、ティモシー・シャラメとフランシス・マクドーマンドの共演シーンが公開された。
ティモシー・シャラメとフランシス・マクドーマンドが共演
『フレンチ・ディスパッチ』は、監督からの“ジャーナリズムへのラブレター”だと言い、20世紀フランスの架空の街にあるアメリカの新聞社の支局で働くジャーナリストたちにスポットライトをあてた作品。3つの物語からなる作品で、1つは1968年にフランスで学生たちが中心として起こした五月革命、1つは伝説的アートディーラーであるイギリス人のジョセフ・デュヴィーンにフォーカスしたものだという。
ティモシーは、学生の革命家を、フランシスは学生の革命家を追うジャーナリストを演じる。
今回公開された映像では、催涙ガスを浴びたフランシスが流れる涙を拭くなか、後ろでティモシーが入浴中であることに気がつく。そしてティモシーは、書いていたマニフェストをフランシスにチェックしてもらう。
『フレンチ・ディスパッチ』はカラー映像と白黒映像を両方使った作品に仕上がっており、今回のシーンは白黒。だからこそ、タオルを髪に巻いたティモシーが、お風呂のなかでタバコを吸い、モノを書く姿が、より一層ファンにはたまらない美しさとなっている。
アンダーソン監督はティモシーを起用したことについて、米GQのなかでこう語っている。
「ティミーのことを『レディ・バード』と『君の名前で僕を呼んで』で見たんだけど、この役柄のためにちょっとでも他の誰かを考えなければいけないといったことは感じたことがない。彼がまさにぴったりだと分かっていた。それに加え、彼はフランス語を話せるし、(フランスの映画運動ヌーヴェル・ヴァーグの巨匠)エリック・ロメールの映画から出てきたようだろう。1985年前後のね。パリからのゆっくりな電車、リュック、悪天候のなかの海辺で10日間。彼は何にも当てはまらない。でも(ヌーヴェル・ヴァーグの英語である)ニュー・ウェーブは彼のために幸せな居場所を用意したはずだ」
特別映像を見ただけでも分かる。監督の言葉は正しい。『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は、全米で10月22日に劇場公開予定。日本での公開は2022年を予定している。
(フロントロウ編集部)