ユニバのクルーが人種差別行為
ユニバーサル・オーランドが、2組の家族から裁判を起こされたことが分かった。
事の発端は、2019年の3月。ホテルのロイヤル パシフィック リゾートで、ティファニー・ジンガーとリチャード・ジンガーの当時6歳の娘が、映画『怪盗グルー』シリーズのグルーと記念写真を撮影したところ、グルーの着ぐるみの中に入っていた人物が、白人至上主義者が行なうホワイトパワーのジェスチャーをしていたのだ。
そのジェスチャーをすることはどのような状況であっても許されることではないうえ、ティファニーは黒人であり、その子供は黒人と白人の両親の元に生まれたミックス。その子と写る写真で、しかも黒人と白人の両親の前でそのようなジェスチャーをしたことことに、意図がないわけがない。
その後、その時に撮影した写真を見返していたティファニーがグルーのジェスチャーに気がつき、事件が発覚。アメリカ中の注目を集める事件となり、ユニバーサル・スタジオはグルーの中に入っていた人物を解雇したと発表した。
しかし、同様の行為がそれ以前にも行なわれていたことが発覚した。ジョエル・ロドリゲスによると、2019年2月に彼が家族とユニバーサル・スタジオ・フロリダを訪れた際に、当時5歳の娘がグルーと記念撮影。その時の写真を見返したところ、グルーがホワイトパワーのジェスチャーをしていることが確認された。この子供はヒスパニック系だった。
2つの家族は現在、共同でユニバーサル・オーランドを訴えている。
裁判の行方は
ユニバーサル側は、グルーの着ぐるみを着ていた従業員の身分に関する情報や、2つの出来事がグルーの恰好をした異なる人物によるものであるかどうかについて、家族側の弁護士であるリサ・リドル氏に明かすことを拒否している。
リドル氏は、精神的苦痛への損害などに加え、ジェスチャーを行なった従業員の人事ファイルを求め、その人物に対しても差別行為の訴えを起こしている。
事件が起こってから約2年が経ってからの裁判となったが、リドル氏によると、様々な段階を踏んでいたためとのこと。
ティファニーは、米Florida Politicsの取材に対し、「子供たちは、誰かが自分たちに向かって何か悪いことをしたというのを理解しています。そしてそれは許容されることではありません」とコメントした。
(フロントロウ編集部)