医師が教える月経カップの使い方と選び方
日本でも手軽に購入できるようになりつつある月経カップは、膣内に挿入して経血を溜めるシリコン製の生理用品。長時間快適に装着し続けられて、ムレやニオイ、かぶれといった悩みの軽減が期待できるのが魅力。
じつは欧米では、月経カップは一部のブランドから50年ほど前から販売されていた歴史があるのだけれど、その快適さだけでなく繰り返し使えてゴミが出ないといったサステナブルなメリットが高く評価されて、海外では本格的なブームが到来。ニーズに合わせて選べるさまざまな月経カップが登場していて、専門ブランドも続々と誕生している。
そんな月経カップを初めて使うときに気になるのが、選び方や使い方。うまく装着できるか不安に思ったり、どれを選べばいいのか分からなかったりするもの。でも医師によると正しい知識を身につけておけば安全に使いこなせるそうで、産婦人科医のシェリー・ロス医学博士は、「たしかに最初は戸惑うこともあると思うけれど、テクニックを習得すれば本当に簡単に使えるようになる」と米Selfでコメント。
快適で安全に使いこなすために知っておきたい、月経カップの選び方や使い方のポイントをご紹介。
自分に合うサイズを選ぶ
月経カップは、サイズが合わないものを使うと漏れや不快感につながってしまうため、自分に合ったサイズを選ぶことが大切。ブランドによってサイズは異なるものの、2~3つのサイズで展開されていることが多い。
選び方についてロス医学博士は、「初心者や出産経験のない人は小さめのサイズ、出産経験のある人や経血の量が極端に多い人は大きめのサイズを選ぶのが基本」と説明。
とはいえ膣のサイズや形には個人差があるため、基本的なサイズ基準で選んでも合わない場合は、子宮口と子宮をつなぐ部分である子宮頸部の位置が高いか低いかを確認する必要があるそう。確認して高い場合は大きめのサイズ、低い場合は小さめのサイズを選ぶようロス医学博士は勧めている。
正しい位置に入れるには?
月経カップの選び方が分かったら、次は正しい使い方。月経カップは、膣に挿入して膣壁に密着させることで経血を受け止めてくれる仕組みなので、しっかりと正しい位置に入れることがポイント。
オススメの装着方法についてロス医学博士は、「脚を広げてヒザを曲げてスクワットのような姿勢になったら、カップを半分に折って膣内に入れて、奥まで入れられたら手を離してみて」とアドバイス。入れ終わったらカップを少し動かしてみたりカップの側面をなぞったりして、膣内できちんと開いて密着しているかをチェックすることも大切。また、この時点で不快感がある場合はきちんと装着できていないこともあるため、一度外してみてもいいそう。
ロス医学博士いわく、初めて使う場合にはスムーズに入れられないことも多いため、経血が少ないときにリラックスした状態で練習してみるなどして慣れていくことが大事だそう。また装着するときの体勢やカップを入れるときの折りたたみ方は、ほかにも推奨されている方法があるので、何度か試してみてうまくいかないときには別の方法を試してみることも考えてみて。
手は必ず清潔にして爪も切る
生理用品の中でも安全性が高いと言われている月経カップだけれど、衛生面や安全面に細心の注意を払うことを忘れてはいけない。
ロス医学博士は、「必ず爪は切った状態で、使う直前には手を洗って清潔にすることが重要」と説明。膣などを傷つけてしまうことがないように、使用前には爪と手のチェックをすることが欠かせないステップだそう。
また月経カップ自体も繰り返し使うアイテムであるため、取り替える際や使用後には正しく洗うことも大事。専用の洗剤なども販売されているので、月経カップを購入するときには洗い方などもチェックしておいて。
数年前にくらべて選択肢の幅が増えている生理用品。月経カップを含めていろんなものを試してみて、自分の好みやライフスタイルに合うものを見つけてみては。(フロントロウ編集部)