セックスシンボルと扱われたスカーレット・ヨハンソン
MCU映画『ブラック・ウィドウ』で主人公のナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウを演じ、多くの女性たちから称賛を受けているスカーレット・ヨハンソン。
最近ではその他にも、『マリッジ・ストーリー』や『ジョジョ・ラビット』などで演技を高く評価されたスカーレットだが、キャリアの初期にはセックスシンボルとして位置づけられていたことを覚えている映画ファンは少なくない。
エレベーターのなかでセックスしていたというウワサまで流されたこともあるスカーレットは、そういった自分のイメージは、業界の男性たちによって勝手に作られたと英The Sunのインタビューで振り返った。
「20代前半の頃に、そして20代後半の頃にも、非常に性的に描かれたキャラクターにばかり起用されていると感じていた。そして当時は、それはオーケーなことだと全員が思っていたと思う。もう別の時代の話。それは私個人の話ではないにもかかわらず、たぶんこの業界のたくさんの男性たちによって私のイメージは作り出された」
現在のスカーレット・ヨハンソンが思うこと
勝手なイメージを、自分を含めて全員が受け入れてしまっていたと明かすスカーレット。若い頃には、社会のなかで自分が置かれた状況を受け入れてしまうということはあるもの。しかしその時に覚えた違和感は、年を重ねて成長するなかで、フェミニズムの芽となって育っていく。2018年の国際女性デーにスピーチを行なったスカーレットは、この時にも、若い頃の自分についてこう振り返っている。
「力関係が片方(男性側)に非常に傾いている関係性は、私生活でも、キャリアの場でも多く経験してきました。その中で私は、気がねなく一緒に過ごせる“めんどくさくない女の子”だという物語を作り出さなくてはいけませんでした。それは、時には自分が正しいと思うことを妥協しなくてはいけないということでした。そして(当時は)自分自身にもそれが大丈夫なことに思えていました。相手が意図的だったかどうかは別として、自分の意見を妥協し、自分自身を見えなくし、劣っている者としていたんです」
しかし彼女は最後に、「最近、自分の人生に新しい言葉を取り入れたので、ここにいる方々と是非シェアしたいです。『もう媚びない』。自分に正しいことが起こっていないと感じる時に、それが他人の感情を傷つけるからといって罪悪感を感じるのは止めましょう」と声をあげ、力強いメッセージを女性たちに送った。
The Sunのインタビューでスカーレットは、業界の状況は変化し、すべての年齢の女性たちが様々なキャラクターを演じる機会が増えているとも語った。
統計的には、まだまだ若い女性たちのほうがキャスティングされやすかったり、女性が登場する作品が少なかったりといった問題はあるが、現場で働く彼女が変化を感じられていることは喜ばしいニュースといえる。
(フロントロウ編集部)