『ファイト・クラブ』のエンディング
1999年に公開され、カルト映画の代名詞的作品の1つとなっている『ファイト・クラブ』。デヴィッド・フィンチャーが監督を務め、エドワード・ノートンとブラッド・ピットがW主演した本作は、ネタバレ禁止のどんでん返し作品としても有名。
しかし過去に、多くの人が視聴するトーク番組のなかで、あのエンディングについてコメントしてしまった人物がいた!
それは、コメディアンで俳優のロージー・オドネル。
ネタバレは彼女が司会を務めた『The Rosie O'Donnell Show』のなかで起こったのだが、つい先日、トーク番組『The Jess Cagle Show』に出演した際に、ロージーはいまだに人々の印象に残ってしまっている22年前の出来事について質問されることに。当時の思い出について、彼女はこう振り返った。
「ただ話してただけ。あの映画が良いと思わなかったし、『シックス・センス』が出たばかりだった。だからあの映画は私を苛立たせた。『シックス・センス』は意味が通ったけど、こっちはそうじゃなかった。あのエンディングはなんと言うか…。それが私が(当時番組で)話したこと。
誰もそれについて3年、いや4年も言ってこなかったけど、コートニー・ラブと知り合いでね。私の番組で彼女に、『オーマイゴッド。エドワード・ノートンとブラッド・ピット、彼らはあなたがしたことですごく怒ってるよ』って言われたの。私は、『何したっけ?』って感じだった。3年も後に!『あなたは「ファイト・クラブ」のエンディングをめちゃくちゃにしちゃったでしょ』って彼女に言われた」
『ファイト・クラブ』に誇りを持つ俳優たち
じつは、アメリカでは『ファイト・クラブ』が公開される丁度2ヵ月前に、これまたどんでん返しのエンディングで有名な映画『シックス・センス』が公開されたため、2作品を比較しやすい状況だった。それもあって、自分の好みではなかった『ファイト・クラブ』のエンディングについて、つい番組内でコメントしてしまったというロージー。
とはいえ、彼女の反応はそこまで意外なものではない。今でこそカルト映画の名作と評される『ファイト・クラブ』だが、公開当時は酷評され、劇場興行収入の失敗は制作・配給会社20世紀フォックスの当時のCEOであるビル・メカニックの辞任の要因のひとつとなったほどなのだから。
一方で、ヴェネツィア国際映画祭でのプレミア上映で観客たちの微妙な反応を目の当たりにしたブラッドは、「オーマイゴッド。なんてことを俺たちはやったんだ?なにが起こったんだ?これは最高だと思ったのに」と思ったことを明かしており、作品に自信を持っていたことが分かる。そんななか人気トーク番組で、作品のなかで1番重要なエンディングをネタバレされたとなれば、俳優たちが怒ってしまっても仕方はないかもしれない。
ちなみに、ミュージシャンのコートニー・ラブは、当時エドワードと交際していたため、エドワードとブラッドが怒っていることを知っていたよう。
「私はあの2人に、長いことすごく嫌われてたみたい。もしかしたら今もね」と、笑いながら話したロージーだが、作品のために一生懸命に働いた人々を思い、反省もしているようで、もし作品が好きでなかったのなら、ただただ作品について言及すべきではなかったとした。
ファイト・クラブには、こんなルールがある。
ファイト・クラブ ルールその1、ファイト・クラブのことを決して口外するな。
ロージーは、このルールを守るべきだったよう。
(フロントロウ編集部)