「自閉症であることは自分の中核」
ドラマ『プリズン・ブレイク』のマイケル・スコフィールド役でおなじみの俳優ウェントワース・ミラーが、昨年、医師から「自閉症」と診断されたことを自身のインスタグラムを通じて公表した。
以下、ウェントワースのコメント。
「みなさんと同じように、(新型コロナウイルスのパンデミックによる)隔離生活は私から色々なものを奪いました。しかし、その静寂のなかで、私は思いがけない贈り物を見つけました。非公式に自閉症と診断されてから今年の秋で1年になります。自己診断をしたのち、正式に診断を受けました。私の考えでは、このプロセスは長いうえに欠陥があり、アップデートが必要です。私は中年男性で、5歳児ではありません。こういった診断を受けることを大半の人は歓迎しないと思います。正直に言うとショックでした。でも、驚きはありませんでした。私も過去に経験がありますが、『著名人が何かを公表し、他の人たちのための土台を作る』ことが今は当たり前になっています。でも、今回の件にもそれが当てはまるとはかぎりません。なぜなら、私は自閉症について十分な知識を持っていないからです。知るべきことがまだたくさんあります。今、私がやるべきことは、自分の理解を深めることです。この先、50年間の人生を新たなレンズで見直しているところです。多くの時間を要することになるでしょう。(自閉症コミュニティのためと称して)知識不足の状態で声を上げることはできません。私が知るかぎり、自閉症コミュニティについてこれまで多くの議論がなされ、話題にされてきました。これ以上、害を与えるようなことはしたくありません。ただ、手を挙げて、『私はここにいます。(気づいていませんでしたが)私も一員です』と示すだけで十分ではないでしょうか。自閉症やニューロダイバーシティについてもっと深く知りたいと思っている方には、心に響くコンテンツを発信している人たちのインスタグラムやTikTokを見ることをオススメします。彼らのようなクリエイターは、私よりも知識が豊富でわかりやすく説明をしてくれます。私自身、彼らから色々なことを学びました。私がお伝えしたいのは以上です」
続けて、ウェントワースは、「ちなみに、(自閉症であるという事実を)変えたいとは思いません。自閉症であることは自分の中核だと思っています。これまでに私が達成したこと、表現したことのすべてがそこにあります。それから、意識的にせよ無意識にせよ、長年にわたって私に特別な優しさとスペースを与えてくれた大勢の人たちにお礼を言わせてください。たとえあなたには理解できなくても、私にとって理にかなった方法で世界を駆け巡らせてくれたことに感謝しています。そして、違う選択をした人たちには…、そうですね。人は自らを明らかにするものです。それがもうひとつの贈り物です」とも綴っている。(フロントロウ編集部)