海外発のサステナブルなショッピング体験「Loop」
頻繁にサステナブルという言葉を耳にするようになって、考える機会が増えているのがプラスチックごみの問題。
少しでもプラスチックごみを減らすため、マイバックを持参する、マイボトルを持ち歩く、パッケージレスの製品を購入するなど、できることから取り組んでいる人も多いと思うけれど、それでも日々たくさんのプラスチックごみを出しているのが現状。
それもそのはず、販売されているあらゆる日用品が使い捨てのプラスチック容器を使用しており、詰替えタイプの製品を選んでもそのパッケージがゴミになってしまうなど、プラスチックごみを減らすのは一筋縄ではいかない。
そんな消費者のジレンマを解消できるのが、ごみの出ない生活を目指す海外発のサステナブルなショッピングプラットフォーム「Loop(ループ)」。“捨てるという概念を捨てよう”というミッションのもと、米TerraCycle社が2019年にアメリカとフランスで発足させたLoopは、現在ではイギリスやカナダなど世界各国で展開。
そしてついに日本の関東エリアでも、今年からLoopの実証実験がスタートした。
「Loop」ってどんなサービス?
日本で実証実験中のLoopとは、使い終わった容器を返却できて、それが再利用される循環型ショッピングプラットフォームのこと。
Loopで販売される製品はどれもLoop専用容器に入っていて、使用後に返却された容器はLoopの施設で洗浄などを経て、また同じ製品の容器として再利用される。
Loopで扱う製品の種類は、すでに本格展開している海外では、食料品からヘアケアやデンタルケア、ファストフードにいたるまで多くのジャンルが購入可能で、実験中の日本では、関東エリアのみの実証実験中ながらも複数の企業が参加しており、有名な製品がラインナップ。
資生堂のブランド「アクアレーベル」の保湿クリームや、ドクターブロナーの人気ソープ「マジックソープ」、オーラルケアブランド「モンダミン」や味の素の3種のだしの素など化粧品から調味料までが揃い、Loop仕様になったリユースパッケージも新鮮。
購入と返却はどこでできるの?
サステナブルな新サービスのLoopで気になるのが、どこで買ってどこで容器を返すのかということ。その方法は、購入と返却の両方を店舗で行なう「小売店モデル」と、サイトで買って自宅に回収に来てもらう「ECモデル」の大きく分けて2つ。
小売店モデルでは、Loopと提携している小売店で製品を購入し、使用後には基本的に購入店舗にある返却ボックスに容器を返却する。日本では、現段階ではイオンと提携しており、東京、神奈川、千葉にあるイオンのうち19店舗で購入と返却ができる。
もうひとつのECモデルはLoopのECサイトから製品を購入して、使用後に容器を回収しにきてもらう、昔ながらの牛乳配達に近いモデル。新しい製品が届けられるときに同時に回収するルールになっているため、配送による環境負荷を抑える配慮もされている。
日本では、まず実証実験のため今年の8月31日にECサイトがオープン予定。東京と神奈川、埼玉、千葉に住む5,000世帯を対象とした1年間の実証実験を経て、より多くの人が利用できるようになる予定だそう。ちなみに東京の参加者募集は終了しているけれど、その他3県の募集は今後行なわれる予定だという。
耐久性とデザインのこだわりが詰まった容器
何度も容器を再利用し、“使い捨て文化”からの脱却を目指すLoopでは、もちろん使用する容器にもこだわっている。
Loopで販売される製品の容器は、少なくとも10回以上使っても壊れないかをテストし、基準を満たしたものだけを採用。さらに壊れた後には最終的にごみにしないために、リサイクルが可能な素材を使っている。
そして使い捨て容器ではないため、デザイン性にもこだわっている。オシャレで高級感のあるLoop製品が並ぶことで、キッチンや洗面所も華やかになりそう。
環境問題が深刻になる今、サステナブルな素材の利用だけでなく、いよいよ「再利用」のステージに入ってきた環境対策。新世代のサービスである「Loop」が日本でも普及すれば、ものを消費するたびにごみが出る暮らしが当たり前ではなくなるかもしれない。(フロントロウ編集部)