『TheO.C.』のキャスティング秘話が明らかに
2003年から2007年まで4シーズンにわたって米FOXで放送され、一斉を風靡したドラマ『The O.C.』。オレンジ・カウンティ(カリフォルニア州オレンジ郡)にある高級住宅街ニューポートビーチを舞台に、セレブ高校生たちの友情や恋愛模様、思春期ならではの苦悩や社会問題を描いた本作は世界中で大ブレイク。日本でも海外ドラマブームの火付け役的な1作として、当時、どハマりしたという人も多いはず。
そんな『The O.C.』の物語の主人公はベンジャミン・マッケンジーが演じた貧しく、家庭環境に恵まれないながらも、正義感が強く頭脳明晰な青年ライアン・アトウッドと、ミーシャ・バートンが演じた裕福な家庭で育った容姿端麗で完璧なお嬢様ながらも、実は傷つきやすく精神的に不安定なマリッサ・クーパー。
“住む世界が違う”はずのライアンとマリッサのせつない恋を主軸に、アダム・ブロディ演じるオタク男子のセス・コーエンや、レイチェル・ビルソン演じるパーティーガールのサマー・ロバーツとの友情や、家族間の深刻な問題が複雑に絡み合い、視聴者たちの興味をひきつけて離さない記憶に残る作品として今も愛され続けている。
『The O.C.』の製作総指揮を務めたのは、『ゴシップガール』や『セックス・アンド・ザ・シティ』に登場するキャリー・ブラッドショーの若き日の物語を描いた『マンハッタンに恋をして 〜キャリーの日記〜』、『ダイナスティ』といったヒットドラマの数々に携わってきたクリエイターのジョシュ・シュワルツ。
ジョシュは、サマーを演じたレイチェルとマリッサの母ジュリーを演じたメリンダ・クラークがスタートした『The O.C.』の思い出や撮影秘話を語るポッドキャスト『Welcome to The O.C., Bitches.』に出演したのだが、そこで、ライアン役とメリッサ役の最終候補に残った俳優たちがいることを告白。そのメンツがとても豪華だった!
あの人たちがキャスティングされるかもしれなかった
ベンジャミンが演じたライアンの候補に浮上したのは、映画『トロン: レガシー』や『ジ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ』への出演で知られるギャレット・ヘドランドとDCEU映画『シャザム!』のスーパーペドロ役などで知られるD.J. コトローナ。
ギャレッドもD.J.もタフでワイルドな印象がある役者だが、ジョシュはオーディションの直前に目にしたちょっと不愛想なベンジャミンの態度を見て「面白いヤツだな」と思ったそうで、タバコを吸いながら武骨なあいさつをしたベンジャミンがライアンのイメージにうまくハマると思い、3人の中から彼を選んだと明かした。
ミーシャが演じたマリッサ役の最終候補に残ったのは、『The O.C.』のシーズン2にアダム演じるセスと恋仲になるライブハウスの従業員アレックス・ケリー役で出演したドラマ『Dr. HOUSE』や映画『ミッシング・サン』で知られ、近年では映画監督としても才覚を発揮している[オリヴィア・ワイルド。
当時、オリヴィアは俳優をめざしてハリウッドに引っ越してきたばかりで、『TheO.C.』のオーディションは彼女が受けた最初のオーディションのうちの1つだったそう。
ジョシュはオリヴィアとの初対面について「彼女にとっては初めてのオーディションのうちの1つだったらしいけど、すごく説得力があった」と回想。しかし、年齢的にミーシャのほうが高校生であるマリッサに近かったことや、「悲壮感があった」ことからミーシャをマリッサ役に抜擢したという。
ベンジャミンとミーシャはそれぞれハマり役だったけれど、別のキャストによるバージョンの『The O.C.』も見てみたかった!
ギャレッドとオリヴィアといえば、2010年公開の映画『トロン: レガシー』で共演。もしも、それぞれ『The O.C.』で主役に抜擢されていたら、違った形で共演していたかも。そう考えるとなかなか感慨深い。(フロントロウ編集部)