そもそも、ビタミンDとは?
ビタミンDとは、油に溶けやすい脂溶性ビタミンの一種で、からだの健康を維持するために必須な栄養素。一般的に魚類やきのこ類に多く含まれ、食事だけでなく肌に直接日光が当たることによって生合成される成分でもある。
ミシガン州に拠点を置く皮膚科専門医のファティマ・ファース医師は「ビタミンDは、丈夫な骨を維持し、健康な免疫システムを支えるために必要な栄養素のひとつ。皮膚を含む細胞の再生と修復にも重要な働きをもつ」と米The Zoe Reportsでコメント。そのため、ビタミンDが不足すると「肌の乾燥や弱体化、さらには炎症、乾癬や湿疹のような皮膚疾患の悪化を引き起こす場合がある」と説明する。
日焼け止めを塗るとビタミンDが不足するってホント?
では、肌に直接日光が当たることによってビタミンDが生合成されるのなら、紫外線をブロックする「日焼け止め」を毎日塗っている人はビタミンDが不足するのだろうか?
率直に言うと、答えはノー。ファース医師は「日焼け止めを塗っても、ビタミンDの生合成は止まらないという研究結果がある」と言及。「多くの研究者が、毎日の日焼け止めの使用がビタミンD欠乏症につながることを証明できていない。これは、たとえ完璧に日焼け止めを塗布しても、紫外線を100%完全に遮断することはできないことに起因している。そのため、日焼け止めを塗っていてもビタミンDは生成され続ける」とファース医師は主張する。
かといって、日焼け止めに紫外線を防ぐ効果が全くないかというと、それは誤り。ファース医師は「97%の日焼け止め効果があれば、まったく日焼け止めを使わないよりもずっと効果的。わざわざ皮膚がんのリスクを高めてまで日焼け止めを塗ることをやめる必要はない」と語っている。
日光浴をしたい場合はどうすればいい?
日光にはビタミンDの生合成のほかにも、ストレスを軽減させるなどの効果もあるため、できれば肌のダメージを最小限におさえつつ、日光浴を楽しみたいという人もいるはず。
その場合は、紫外線が強くない時間帯に日光浴をするのがベスト。QMSメディコスメティックスのグローバル・エデュケーターを務めるローワン・ホールファーライズ氏は「太陽の下でビタミンDを取り入れたいなら、午後12時から午後4時までの紫外線が強い時間帯は避け、日焼け止めをつけたまま、早朝もしくは夕方に日光浴を行なうことをおすすめする」と話している。
からだの健康を維持するために欠かせないビタミンDは、ふだんから日光浴をしていても不足しやすいビタミンなので、食事やサプリなどでも積極的に取り入れてみて。(フロントロウ編集部)