日本で密フェスとして批判殺到している音楽フェス「NAMIMONOGATARI」が愛知県で開催されていたのと同日、イギリスでは数万人が集まった音楽フェス「Reading Festival」が開催していた。“密”、“酒提供”、“マスクなし”など共通点が多いイベントでありながら、絶対的な違いがあった2つのイベント。行政も公認するイギリスのフェスはどうやって開かれた? (フロントロウ編集部)

イギリスでReading Festival 2021が開催

 レディング・フェスティバル 2021(Reading Festival)は、英時間8月27日〜29日にイギリスのレディングで開かれた野外音楽フェスティバル。2020年はコロナ禍のため中止となったが、2021年はリアム・ギャラガー、ポスト・マローン、ストームジーがヘッドライナーを務め開催された。

画像: リアム・ギャラガー

リアム・ギャラガー

画像: ポスト・マローン

ポスト・マローン

画像: ストームジー

ストームジー

 同フェスはパンデミック後初の大型野外フェスのひとつとだけあり、姉妹フェスのリーズ・フェスティバルと合わせて、3日で10万枚のチケットが売れたと英NMEが報じている。

画像1: イギリスでReading Festival 2021が開催
画像2: イギリスでReading Festival 2021が開催
画像: デビッド・ベッカムとヴィクトリア・ベッカムを親に持つクルス・ベッカムのレディング・フェスティバルに参加していた。

デビッド・ベッカムとヴィクトリア・ベッカムを親に持つクルス・ベッカムのレディング・フェスティバルに参加していた。

画像3: イギリスでReading Festival 2021が開催

 写真からも分かる通り、当日はマスクもソーシャルディスタンスもなしの超がつくほどの「密フェス」。コロナ禍の今ではもはや異様な光景だが、レディング・フェスティバルの場合は、ただコントロールを失ってこうなっているのではなく、開催側公認でこうなっている。

レディング・フェスティバルは厳しい入場ルールを設けていた

画像1: レディング・フェスティバルは厳しい入場ルールを設けていた

 レディング・フェスティバルは2021年のフェスを開催するにあたり、11歳以上のすべてのチケット保持者に入場前の新型コロナウイルスのステータス証明を以下の3つのうちのいずれかで証明することを求めた。

  1. 2回の予防接種を受けたことを証明する書類(2回目の予防接種はフェスティバルの14日前までに受けたものである必要がある)
  2. フェスへの渡航前に受けたNHSラテラルフローテストが陰性であることを証明する書類
  3. フェスから180日以内(結果が出てから10日間の静養を含む)のPCR検査陽性による自然免疫を証明する書類

 上記のいずれかを提示できなければ、チケットを持っていても会場に入れてもらえない。さらにフェスでは、国営医療サービスNHSとタッグを組み、ワクチン未接種の人にワクチンを無料で打つためのエリアも会場内に設けられ、国のワクチン接種率の上昇に貢献。

 もちろん、このようなルールによって感染の確率がゼロにできるわけではない。しかしこれまで数万人以上を動員したイベントでは一定の効果を見せており、感染の確率を抑えながらフェスを開催するためにも、ワクチン接種証明またはPCRの陰性証明の提示は、欧米のイベント業界では定番ルールとなってきている。

画像2: レディング・フェスティバルは厳しい入場ルールを設けていた
画像3: レディング・フェスティバルは厳しい入場ルールを設けていた

(フロントロウ編集部)

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