アンジェリーナ・ジョリーが説く「未遂でも性的暴行にあたる」
90年代後半、映画『マイ・ハート、マイ・ラブ』のプロモーション活動中に、かつてハリウッドで絶大な権力を誇っていた元大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからセクハラ被害を受けた俳優のアンジェリーナ・ジョリーが、英The Guardianのインタビュー当時のことを振り返ると同時に、ハーヴェイとの仕事をめぐって別れた夫で俳優のブラッド・ピットと喧嘩になっていたことを告白した。
ハーヴェイはセクハラ撲滅を目指すムーブメント「MeToo」の元凶で、昨年、複数の女性に対する性的暴行とレイプで禁錮23年の実刑を言い渡された。本人は一貫して無罪を主張しているが、ハーヴェイにはレイプを含む計11件の性被害への容疑がかけられており、現在も裁判が続いている。
アンジェリーナがショービズ界で自分が“下に見られている”と実感したのは、ある人物からセクハラ未遂を受けた時だった。言うまでもないが、その人物とはハーヴェイ。
「聞いても驚かないと思うけど、(自分にセクハラをしようとしたのは)ハーヴェイ・ワインスタイン。若い頃に彼と一緒に仕事をしたことがあるの。部屋から逃げることができたんだから、彼は未遂に終わったと思うでしょう?でも、未遂があったという事実と未遂を経験したということは、それだけで性的暴行にあたる。あれは一線を越えるものだった。私は逃げる必要があった。以来、私は彼から距離を置き、周りの人たちに警告した。私の最初の夫であり、この件で素晴らしい対応をしてくれたジョニー・リー・ミラーに、ほかの男性たちに『女の子を彼(ハーヴェイ)と2人きりにしないように』と伝えるよう言ったことを覚えてる」
実際、その言葉どおり、ハーヴェイと一緒に仕事をしないようにしていたというアンジェリーナは、その後、映画『アビエイター』のオファーを受けるも、“ハーヴェイが関わっているから”という理由で出演を拒否。しかし、今もなお離婚裁判の真っ只中にあるブラッドは彼女とは違うスタンスを取った。
アンジーがブラピの“ある行動”に傷ついた過去を明かす
アンジェリーナの身に起きたことを知っていながら、ハーヴェイが製作総指揮に名を連ねる映画『イングロリアス・バスターズ』(2009年公開)に出演したブラッドは、自身がプロデューサー兼主演を務めた2012年公開(※日本は2013年)の映画『ジャッキー・コーガン』でもハーヴェイが運営するザ・ワインスタイン・カンパニーに製作を依頼。
「だから、ブラッドが彼と仕事をすることを選んだときは辛かった。そのことで私たちは喧嘩した。もちろん、傷ついたわ」と、ハーヴェイとの仕事をめぐってブラッドと揉めたことを明かしたアンジェリーナは、最終的にハーヴェイが携わったこの2作品のプロモーションイベントには一切参加しないことを決めたという。
ちなみに、過去にブラッドと交際していた俳優のグウィネス・パルトロウもハーヴェイによるセクハラの被害者で、そのことを知ったブラッドがセクハラをやめるようハーヴェイを問い詰めて守ってくれたことをグウィネス本人が明かしている。つまり、ブラッドはアンジェリーナと出会う何年も前からハーヴェイに問題があるのを知っていたということになる。(フロントロウ編集部)
※一部内容に誤りがあったため記事公開後に修正しました。