『セックス・エデュケーション』でファンからされるエイミーを演じるエイミー・ルー・ウッドってどんな人?(フロントロウ編集部)

エイミーを演じるエイミー・ルー・ウッド

 『セックス・エデュケーション』の主人公というと、オーティスとメイヴということになるが、多くのファンから人気のキャラクターは他にもいる。

 その性格で愛されているエイミーは、3シーズンを通して成長を見せた。シーズン4にも登場すると見られるエイミーを演じるのは、役名と同じ名前のエイミー・ルー・ウッドで、彼女を知れば知るほど、エイミーだからこそエイミーをファンから愛されるキャラクターにできたのだと分かる。

 そんなエイミーのことを、深掘り!


元々は舞台でキャリアを築いていた

 イギリスの名門大学である王立演劇学校(RADA)で学んだエイミーは、在学中に舞台へ出演し始め、『セックス・エデュケーション』は彼女にとって初ドラマ。

 「どれだけすぐに“TVスター”って言われるようになったのかは面白い(笑)。“TVスターが舞台へ?”って言われると、“これ(舞台)は元々やってたの!”ってなっちゃう」と、舞台俳優としてのプライドを英The guardianのインタビューで垣間見せたこともある。

 そんなエイミーは『セックス・エデュケーション』での演技によって、英国アカデミー賞(BAFTA)のテレビ部門で、最優秀コメディ女優賞を受賞した。


リリー役でオーディションを受けていた

 エイミーが『セックス・エデュケーション』のオーディションに参加した時、当初受けていたのはじつはリリー役! リリー役であってもオーディションを2回勝ちぬいたそうだが、3回目で制作陣にエイミー役を勧められたそう。

 そこでエイミーが登場する脚本を読んでみたところ、「すごく笑っちゃった。だって脚本に書いてあることって、私がこれまでの人生で言ってきたようなことだったんだもん。だから『オーマイゴッド。これだね』って感じだった」とのこと。


いじめられっ子だった

 そんな彼女は、イギリス中部の街ストックポート出身。学校は、裕福な家庭の子供が多い別の地域の私立学校に通っていたそうで、ストックポートのなまりがある英語をクラスメイトの親からもからかわれ、いじめに遭っていたという。

 しかしその後ロンドンへ出たエイミーは、ある時、中学時代に自分をいじめていた相手に連絡を取ったという。「彼にメールを送ったら、彼はそれについてよく考えていて、申し訳なく思ってるって言ってた。それはカタルシス(※)な経験だった」と話すエイミーは、「学校でのいじめっ子と話してみるのは良いと思う。今はその人たちが、それについて本当に申し訳なく思っているような大人になっている可能性もあるから」との思いを語った。
 ※心の中にあるわだかまりが何かのきっかけで一気に解消すること。


もちろんフェミニスト!

 メイヴと違って、シーズン1ではとくにフェミニストといった印象はなかったエイミー。しかし痴漢被害に遭ったことがきっかけで、女性に対する社会の在り方を考え始めた彼女が、シーズン3でフェミニズムの草分けであるシモーヌ・ド・ボーヴォワールの「生とは死へ向かうこと」という言葉をメイヴに話したシーンに、感激したファンも少なくない。

 そんなエイミーを演じたエイミーももちろんフェミニストで、『セックス・エデュケーション』について、こんな鋭い分析をしている。

 「『セックス・エデュケーション』が鮮明に描いたことは、感傷的ではない女性の団結。学校にはスクールカースト(※)があるから、(ドラマ内で女性同士の)ささいなケンカもあったかもしれないけど、本当に深刻な問題が起きた時、私たちは一緒に団結しなきゃいけないって知ってるから」


次回作の原作は黒澤明監督の映画!

 舞台、ドラマと活躍してきたエイミーの次回作には、2本の映画が決定している。1作は、イギリス人画家ルイス・ウェインの生涯を描く『The Electrical Life of Louis Wain(原題)』で、もう1作は『Living(原題)』。

 ビル・ナイが主演の『Living』は、黒澤明監督が1952年に発表した映画『生きる』を原作に、ノーベル賞作家のカズオ・イシグロが脚本を書き上げたもの。現在は2作品ともにポスト・プロダクションに入っている。

 コメディな演技で人を笑わせ、繊細な演技で人を泣かせる。幅広い演技を見せるエイミーの次回作に期待。

(フロントロウ編集部)

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