スカヨハとディズニーの争いに決着
今年7月に公開された映画『ブラック・ウィドウ』の出演契約をめぐって争っていた、俳優のスカーレット・ヨハンソンとウォルト・ディズニー・カンパニー(以下ディズニー)が和解したことを、双方が別々の声明を通じて明らかにした。
和解の条件は公表されていないが、スカーレットは、「ディズニーとの相違点を解決できたことを嬉しく思います。長年一緒に仕事をしてきたことを非常に誇りに思っていますし、チームとのクリエイティブな関係をとても楽しんでいます。今後も協力関係を続けていくことを楽しみにしています」と、結果に満足していることをうかがわせる内容のコメントを発表。
対するディズニーの担当者も、「『ブラック・ウィドウ』に関して、スカーレット・ヨハンソンと相互に合意することができ、大変嬉しく思っています。彼女のマーベル・シネマティック・ユニバースへの貢献に感謝するとともに、今後も『タワー・オブ・テラー』をはじめとする数々のプロジェクトで一緒に働けることを楽しみにしています」と、円満解決を強調している。
スカーレットが主演を務めた映画『ブラック・ウィドウ』は、新型コロナウイルスの影響により延期に延期を重ね約1年遅れで劇場公開され、その翌日にディズニーの定額制動画配信サービス、ディズニープラス(Disney+)のプレミアアクセスでの配信がスタート。
スカーレットの出演報酬は、主に劇場公開の成績に基づいて決まる契約になっていたが、スカーレットとディズニーおよびマーベル・エンターテイメントが契約を結んだのはパンデミック前で、当初、『ブラック・ウィドウ』は劇場公開のみを予定していた。しかし、実際には劇場公開とほぼ同時にストリーミング配信が開始され、興行収入の面で大きな影響が出ることに。スカーレット側はそのことが契約違反にあたるとしてディズニーを提訴した。なお、ディズニープラスでの同時配信によりスカーレットが被った損失は5000万ドル(約54億円)にのぼると言われている。
スカーレットから訴えられらたディズニーは、「この訴訟は、新型コロナウイルスによるパンデミックの世界的な影響の恐ろしさと長期化を無視したもので、非常に悲しくて苦しいものです。ディズニーはヨハンソン氏の契約を完全に遵守しています」と彼女の行動を痛烈に批判する声明を発表。対するスカーレットも一歩も譲らず泥沼化の様相を見せていたが、裁判が長期化することを恐れてか、和解成立の急展開を迎えた。(フロントロウ編集部)