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最新シーズンが米批評サイトRotten Tomatoesで100%のスコアを獲得している、DCコミックスが原作のドラマ『ドゥーム・パトロール』が面白い!あらすじ、キャラクター、魅力をご紹介。(フロントロウ編集部)

『ドゥーム・パトロール』のあらすじは?

 DCコミックスが原作の『ドゥーム・パトロール』は、2019年2月より米HBO Maxで配信が始まり、現在シーズン3が配信中のドラマ。日本では2021年7月にシーズン1がU-NEXTにて配信となり、10月22日にはシーズン2の配信が始まる。

 「パトロール」と聞くと、警察を思い浮かべる人も多いかもしれないが、本作は警察モノではない。登場するヒーローたちは、みな悲劇的な事件により異常な能力や容姿を得てしまい、ひっそりと暮らさざるを得なくなってしまったマイノリティ。

 DCコミックスのライバル誌であるマーベル・コミックの『X-MEN』に登場する「プロフェッサーX」によく似た車椅子の科学者ナイルスこと“チーフ”(ティモシー・ダルトン)は、世間からつま弾きにされた能力者たちを“保護”し(※)、彼らを監視下に置いていたが、ある日彼らは「屋敷の外に出るな」というキツい言いつけを破って街に出かけてしまう。

※この設定から「DC版の『X-MEN』」だと思われることもあるが、コミックの発売は『ドゥーム・パトロール』の方が約半年早い(1963年)。本作はむしろ、マーベル・コミックの『ファンタスティック・フォー』(1961年)に影響されて制作されたのではないかといわれている。

 案の定、街に着いた彼らの能力が暴走。死屍累々のパニックを巻き起こしてしまっただけでなく、その混乱に乗じてチーフの因縁の敵であるミスター・ノーバディがチーフを攫って行ってしまう。

 取り残された彼らはチーフを救い出すために立ち上がろうとするが、救出はおろか自分の能力の制御すらできない状態で、あくまでも非協力的。そうこうしているうちに「別世界」を発見したり、世界が「終末」を迎えそうになったりと、奇妙で突拍子もない出来事が次々と発生する。

登場するヒーローとその能力

クリフ・スティール/ロボットマン役(ブレンダン・フレイザー)

画像: クリフ・スティール/ロボットマン役(ブレンダン・フレイザー)

 80年代に活躍した元レーサー。交通事故で全身を失うも、かろうじて残った脳をチーフの手でロボットに移植し、全身金属でできたロボットの姿に。変わり者の多いドゥーム・パトロールの中では良心的な存在だが、生身の時はかなり非道徳的だった。腕力が強い。

ラリー・トレイナー/ネガティブマン役(マット・ボマー)

画像: ラリー・トレイナー/ネガティブマン役(マット・ボマー)

 60年代に活躍した元米空軍パイロット。飛行実験で大気圏を突破した際に受けた正体不明のネガティブエネルギーの影響で現在の姿に。空軍のエースとして活躍していた頃には、妻子がありながらも同僚の男性を愛し、自身のセクシャリティに苦悩していた。

 ネガティブパワーが放出されると自由自在に空間をすり抜けられるが、ラリー本体は意識を失い無防備な状態になってしまう。ちなみに生身の姿を演じているのはマット・ボマーだが、包帯の姿を演じているのはマシュー・ズックという俳優。

リタ・ファー/エラスティ・ウーマン役(エイプリル・ボウルビー)

画像: リタ・ファー/エラスティ・ウーマン役(エイプリル・ボウルビー)

 50年代に一世を風靡した俳優だったが、映画の撮影中に謎の火山ガスを浴び体がスライムのように変形するようになり、俳優活動が絶望的となっていたところをチーフに拾われた。いつになっても売れっ子俳優気取りでわがままな性格のため周りの者に疎まれているが、それには根深い理由が。

クレイジー・ジェーン役(ダイアン・ゲレーロ)

画像: クレイジー・ジェーン役(ダイアン・ゲレーロ)

 壮絶な過去のトラウマから、64種類の人格を持つようになった女性。人格ごとにさまざまな能力を持ち、テレポートや電撃攻撃などができるためメンバーの中でも最強だが、人格を制御することはできないため、しばしば大事件の原因に。敵味方構わず暴言を吐きまくる「ハンマーヘッド」や、幼稚な言葉遣いの「ベイビードール」など、性格ごとに名前がつけられている。

ビクター・ストーン/サイボーグ役(ジョイヴァン・ウェイド)

画像: ビクター・ストーン/サイボーグ役(ジョイヴァン・ウェイド)

 DCを代表するカリスマ的でエネルギッシュで野心的なスーパーヒーロー。科学者の両親の間に生まれ、実験中の爆発事故で大怪我を負うが、父親の人体改造によってサイボーグとなった。

 スーパーマンなどが所属している「ジャスティス・リーグ」に参加すべく、コツコツとヒーロー活動をしていたが、友人だったチーフが失踪したことを知り、彼の行方を追うために協力する。

ありそうでなかった異色なヒーロー描写

画像1: ©︎DC COMICS

©︎DC COMICS

 普通、ヒーローといえばさまざまな過去に打ち勝ち己の正義を全うする存在だが、「ドゥーム・パトロール」のメンバーはそうでもない。彼らは自分の能力についてよく分かっていないばかりか、能力を制御することもできず、能力を授かるきっかけとなった事故や事件について向き合うことも拒否しており、かなりネガティブ。

 世界には様々な「異色ヒーロー」たちの映像作品があるが、そのどれとも違った「異色」さを放つ本作は、彼らが自分たちの問題や個性と向き合い、どう打ち勝っていくか模索する姿をメインに描いているところが面白い。それでいて陰鬱なムードや説教くささはなく、むしろ爽やかさまであるという新感覚。

 とはいえ、登場人物のトラウマを掘り下げるシーンは非常に丁寧に繰り返し描かれているため、苦手な人は注意が必要。

 エキセントリックさではDCドラマ『レギオン』に近い要素があり、コミックの『サンドマン』やドラマ『グッド・オーメンズ』で知られるニール・ゲイマンの作風が好きな人は本作がお気に入りになる可能性はある。

マット・ボマーがゲイのヒーロー 「生きづらさ」の描写もしっかりしている

画像2: ©︎DC COMICS

©︎DC COMICS

 ネガティブマンを演じるマット・ボマーは、ドラマ『トゥルー・コーリング』や『ホワイトカラー』で知られ、プライベートでもゲイであることを明かしている俳優。本作ではそんな彼が同性愛に寛容ではなかった時代の人物を熱演し、好評を博している。あるエピソードでは、LGBTQ+の歴史に名を残すジュディ・ガーランドに敬意を示す描写も。

 ドゥーム・パトロールは、異色さゆえに世界からつま弾きにされたマイノリティの集まり。そして、そんな彼らが感じている「生きづらさ」を無視せずに描いているところも見どころのひとつ。共感できるエピソードの積み重ねのうちに、彼らを応援せずにはいられなくなるはず。

 一方で本作はかなり皮肉の効いたブラックジョークや残酷&お下品なシーンも満載。米批評サイトRotten Tomatoesには「自分は一体何を見てるんだ?」といった感想が寄せられるほどぶっ飛んだストーリー展開であるため、そのクセの強さが苦手な人もいるかもしれない。

ドラマ『タイタンズ』ほか DC作品との繋がりを探るのが面白い!

 『ドゥーム・パトロール』は、ドラマ『タイタンズ』と同じ世界を共有しており、『タイタンズ』にはクロスオーバーのエピソードも存在する。

 ドラマ『タイタンズ』は、バットマンの元相棒である初代ロビンが所属する若手チームの活躍を描いた作品。このロビンは後にヒーローの「ナイトウイング」になることでも知られているが、DCでは現在『レゴバットマンザ・ムービー』を大ヒットに導いたクリス・マッケイ監督のもと、映画『ナイトウィング』の制作が進められていると言われている。

 また、「ドゥーム・パトロール」にはDCヒーローの総本山ともいえるジャスティス・リーグのメンバーとなるサイボーグも所属しているということもあり、今後DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)での活躍が期待されている。

 2021年10月17日にオンラインで開催されるDCの祭典「DCファンドーム」では、そんな本作の最新情報が発表されるのではないかとウワサされているため、ますます見逃せない。

ドラマ『ドゥーム・パトロール』は、U-NEXTにてシーズン1が配信中。シーズン2は10月22日に配信開始予定。(フロントロウ編集部)

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