俳優として活躍しながら難関大に入学し、見事学位を取得して卒業したエマ・ワトソン。彼女が大学進学をした理由が深い。(フロントロウ編集部)

エマ・ワトソン、俳優業のかたわら名門校で学ぶ

 エマ・ワトソンは映画『ハリー・ポッター』シリーズや『美女と野獣』などで知られる人気俳優。近年は女性の権利を促進するための活動や気候変動問題に尽力しており、社会派な一面でも知られている。

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 そんな彼女は2009年から2014年まで、アメリカの名門校ブラウン大学で学び、英米文学の学士号を取得して卒業した。ブラウン大学は、アメリカ東海岸にある私立のエリート校グループ「アイビーリーグ」に所属する9つの大学のひとつで、合格率は7.7%という狭き門。

画像: ブラウン大学

ブラウン大学

 2013年、米Rookieのインタビューで、「9歳か10歳のときに『ハリー・ポッター』に参加して以来、自分自身で何を学ぶか決めてきた」と語ったエマは、ブラウン大学を志望した理由について、「好きなように自分の専攻を決めることができたし、カリキュラムにないテーマでも自主学習をすることができた。私は、人がどのようにして、またなぜ恋に落ちるのかという心理学や哲学についての自主研究を行ったけれど、最高だった」と明かした。

 またエマは在籍期間中に、イギリスにあるオックスフォード大学ウースター校に1年間客員学生として滞在。

 2011年には俳優業を優先するために学校を1年間休学し、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』、『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』、『ウォールフラワー』、『ブリングリング』などの作品の撮影を行なった。

「普通」とはかけ離れた人生に苦悩

 「私がフルタイムの女優になりたくない理由を、みんな理解できない」と、2007年に米Access Hollywoodのインタビューで語ったエマ。

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 彼女は9歳で映画『ハリー・ポッター』のハーマイオニー役に抜擢されたことをきっかけに俳優デビューし、「普通」とはかけ離れた青春時代を過ごしていたため、「普通」であることに憧れを抱いていた。

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 大学進学についてエマは「学校生活は友達とのつながりを保ってくれる。現実に触れることができる。それが私に普通の感覚を与えてくれる。正直に言うと、私は二度と働かなくてもいいくらいのお金を持っているけど、そんなことは絶対に望んでいない。学ぶことでモチベーションを保つことができるの」とコメントした。

一時は俳優を引退しようとしたことも

 そんな彼女は、映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の制作が行なわれていた18歳のころ、俳優を辞めようと考えていたそう。

画像: 一時は俳優を引退しようとしたことも

 英Daily Mailのインタビューでは、「俳優としてやっていけたからといって、必ずしもそれが私にとって正しいこととは限らない」と語り、「私は、弁護士と学者の家系に生まれ、家では映画を見なかった…。なぜ私の年齢でこんなにお金が必要なのか? 正直に言うと、私には使い道がない。変に聞こえるかもしれないけど、私は友達たちみたいになりたい一方で、彼らにはそんなお金はない」と、普通とはかけ離れた青春時代を過ごす苦悩について明かしていた。

「普通」ではないことを受け入れ、大学を卒業

 そしてエマはブラウン大学に入学し「普通の」学生になろうとしていたが、学生たちは彼女が『ハリー・ポッター』のメイン俳優であったことをからかって、授業中に「グリフィンドールに10点」と叫んだり、ホールで彼女を追い越すときに「ウィンガーディアム・レビオーサ」と、『ハリー・ポッター』でハーマイオニーが言ったセリフを投げかけたりした。そしてこれが、のちの休学の一因になったという。

画像: 「普通」ではないことを受け入れ、大学を卒業

 エマは2011年、俳優業のために休学している際に受けた米The Sunday Times Style Magazineの取材で、「私は、自分がそれほど有名ではないと思い込みたかった。普通になろうと模索していたけど、自分が何者であるか、自分が置かれている立場、そして起こったことを受け入れなければならない」と、当時のやるせない気持ちを告白している。

 さまざまな問題を抱えつつも復学したエマは2014年5月に晴れてブラウン大を卒業し、「学校と家族のおかげで、地に足がついた人間になれた」と英Daily Mailに語った。

エマ・ワトソンの近況

 2019年に映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に出演したエマは、現在は俳優活動のほかに、影響力のある立場を利用して、活動家として社会に貢献している。

画像: エマ・ワトソンの近況

 2014年には、国連機関UN Womenの親善大使に任命され、世界中でジェンダーの平等についてスピーチを行い、2019年には、イングランドとウェールズでのセクハラ相談ホットラインの立ち上げに貢献。さらに、インスタグラムでは女性の活躍やジェンダーの平等を促進する活動や気候変動問題など、さまざまな問題について発言し続けている。

 2021年10月には「2021Earthshot Prize(アースショット賞)」に出席し、2019年に公開された映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のプレミア以来、およそ2年ぶりに公のイベントに姿を見せたエマ。サステナブルなドレスで登場した彼女は、元アメリカ副大統領で、長年にわたって気候変動の問題に長年取り組んできたことで知られるアル・ゴアと対面し、大喜びする姿を見せた

 子役として大成功した陰で苦悩しながらも大学進学しポジティブなメッセージを発信しづけているエマの今後の活躍にも注目!(フロントロウ編集部)

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