香りのプロが勧める香水の選び方
香水は、さまざまな身につけるアイテムのなかでも、とくにパーソナルで特別なアイテム。それだけに香水選びは吟味する人が多いと思うけれど、たくさんありすぎてどれがいいのか分からなくなったり、気に入って買ったはずなのに結局あまり使わなかったりと失敗もつきもので、香水選びは意外と難しい。
そこで頼りになるのが、香りのプロが教える香水の選び方。プロによると香水選びは好みのほかにも、季節や香水の種類、肌のタイプを基準に選ぶ方法もあり、知っておくことで失敗しにくくなるという。しかもこの方法なら自分用ではなくプレゼントのための香水選びも助けてくれる。
香水選びの失敗を防ぐ、プロの選び方を3つご紹介。
季節に適した香りを選ぶ
香水を選ぶときに考慮したいポイントのひとつが季節。夏と冬では、香りの持続時間や広がり方、感じ方などがわずかに変わるため、それぞれに適した香水を選ぶと失敗しにくいのだとか。
夏に使うのにぴったりなのが、さわやかに広がるマリンやグリーン、フローラル系の香り。なぜなら夏は、香料が熱気にふれることで蒸発して強くなり、本来より強く香ることがあるから。セレブにも愛されるフレグランスブランドFREDERIC MALLEの創設者であるフレデリック・マルは、「フローラル系などのフレッシュな香りは、強まっても不快感がなく、涼しく感じられる」と説明した。
冬に使うのに最適な香水は、サンダルウッドやベチバー、パチョリなどの濃厚な香り。肌が乾燥する冬は、香りが早く消えてしまいやすいため、なるべく濃厚な香りを選ぶことが大切。英国発のフレグランスブランドShay&Blueの創設者のドム・デ・ヴェッタは、「サンダルウッドなどの濃厚な香りが多く調合されている香水は時間が経っても消えにくいから、長持ちさせたい人にはオススメ」とコメント。また、ベースがムスクやウッディ系のものは比較的香りが長続きしやすいという。
香りに合わせた香水のタイプを選ぶ
香水には「オードパルファム(EDP)」や「オードトワレ(EDT)」などのタイプがあるけれど、このタイプも選ぶときの重要なポイント。有名フレグランスブランドDiptyqueのマーケティングマネージャーであるメアリー・ウォレスは、香りの特徴と相性のよい香水のタイプを選ぶようオススメ。
柑橘系やフローラル系などフレッシュでさわやかな香りの香水を選ぶなら、好相性なのがオードトワレ。オードトワレは8~12%の濃度の香水のことで、ふんわりとライトに香るのが特徴。そのため新鮮な香りと相性がいいのだという。ちなみにオードトワレは、オフィスにいる昼間など快適に過ごしたいときにも相応しい香水だそう。
一方でウッディ系やムスク系など深みのある香りを選ぶときには、オードパルファムを選ぶのがベスト。オードパルファムは濃度が12~18%と高いタイプの香水で、豊かな香りが長持ちするという特徴があるため、濃厚で深みのあるウッディ系などの香りが合うのだという。またオードパルファムはしっとりと続く香りなので、夜のお出かけにもぴったりだそう。
肌タイプに合う香りを選ぶ
乾燥肌やオイリー肌といった肌タイプも、香水選びの指標のひとつ。英フレグランスブランドSt. Gilesの創設者でクリエイティブ・ディレクターのマイケル・ドノバンによると、人によって肌のpHバランスが異なり、汗や皮脂の量に差があるため、同じ香りでも肌タイプによって香り方が違うという。そのため肌タイプと相性のよい香りを選ぶのも、オススメの選び方だそう。
皮脂の分泌が多いオイリー肌に合うのが、フルーティーな香り。マイケルは「オイリー肌の場合、トップノートが長く持つけれど、特定の香水の成分を誇張する傾向がある」と話し、甘い香りは皮脂に圧倒されて香りが変質することがあると説明。そのため甘い香りではなく、フルーティーでさっぱりした香りと相性がよいという。
皮脂の分泌が少ない乾燥肌には、お香やスパイスなどの濃厚な香りがぴったり。マイケルは「乾燥した肌は香りが飛びやすいため、香りが長持ちするしっかりしたベースの香水を選んで」とアドバイス。スパイスやチュベローズのような濃厚な花の香り、オリエンタルな香りを選ぶといいそう。
香りのプロが教える香水の選び方。香水選びに迷ってしまったときには、プロのアドバイスを参考にしてみては。(フロントロウ編集部)