“自分と同じ外見の人形”をカスタムメイドで作る非営利団体、A Doll Like Meが子供たちの人生を変える。(フロントロウ編集部)

“自分と同じ外見の人形”が子供たちに与える影響

 多様性を重視する社会に合わせて、近年、バービーで知られるマテル社がさまざまな体形や肌の色の人形を販売しているが、障がいや皮膚疾患などを持つ子供たちにとって市場にはまだ大きなギャップがある。

 そのギャップを埋めるべく、“自分と同じ外見の人形”を作ることを使命としているのが非営利団体の「A Doll Like Me(和訳:私のような人形)」。A Doll Like Meでは、生まれつきまたは事故や病気などで手足がない、顔や体に目立つあざや傷あとがある、皮膚の色調が均一ではないなど、身体的傷がいを持つ子供たちのために、ひとりひとりの身体的特徴を反映したカスタムメイドの人形を作っている。

 A Doll Like Meの設立者であるエイミー・ジャンドリセヴィッツは、小児腫瘍病棟でソーシャルワーカーをしていた頃、自分ではどうしようもない状況に陥った子供たちが適応できるよう、プレイセラピー(遊戯療法)を行なっていた。しかし、市場に出回っている人形のなかに、彼女がケアする子供たちと同じ姿をした人形がなく、プレイセラピーを行なうのが難しいと感じることが多々あったことから、自分が先駆者となって“自分と同じ見た目の人形”を作ることを思いついた。

 エイミーは資金を調達するためにクラウドファンディングサイト「Go Fund Me」で立ち上げたページで、「私は、性別、民族、年齢、医療問題、体形にかかわらず、すべての子供が人形に自分を投影できるようになってほしいと思っています。私は物語を変えること、そして誰をどのように見るかを変えることについてよく話します。子どもたちの視点から、レプリゼンテーションやインクルージョンがどのように見えるかを想像してみてください。重要な場面で自分自身を見ることができれば、それが包括的なメッセージとなり、それが子どもの自己概念を形成するのです。人形における多様性とレプリゼンテーションは、子どもたちにとってゲームチェンジャーとなり得るのです」と、その思いを綴っている。

 このエイミーの取り組みはすでに多くに子供たちを笑顔にしており、A Doll Like Meの公式インスタグラムには、“自分と同じ外見の人形”を手に満足げな表情を浮かべる子供たちの写真がずらっと並んでいる。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.