2022年の第64回グラミー賞のノミネーションが発表
現地時間2022年1月31日に米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される、音楽界で最も名誉ある賞とされる第64回グラミー賞授賞式のノミネーションが発表され、11部門でノミネートされたジョン・バティステが最多ノミネーションを獲得した。
ジョンは今年3月にリリースした最新アルバム『ウィー・アー』が主要部門の年間最優秀アルバム賞にノミネートされ、同作に収録されているシングル「Freedom」が同じく主要部門である年間最優秀レコード賞と年間最優秀楽曲賞の両方にノミネート。加えて、最優秀R&Bアルバム部門や最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス部門、最優秀ミュージックビデオ部門を含む11部門にノミネートされた。
ジョンを追うのは、それぞれ8部門にノミネートされたジャスティン・ビーバーとドージャ・キャット、H.E.R.の3人。ジャスティンとドージャはそれぞれ、年間最優秀レコード賞と年間最優秀楽曲賞、年間最優秀アルバム賞という3つの主要部門のノミネートを獲得したほか、H.E.R.は主要部門では年間最優秀アルバム賞と年間最優秀楽曲賞の2部門にノミネートされた。
ジャスティンは前回のグラミー賞で計4部門にノミネートを果たした際、R&Bのサウンドを意識して作ったアルバムである前作『チェンジズ』や、その収録曲がポップミュージックのカテゴリーにノミネートされたことに疑問を投げかけていたが、今回は最新作『ジャスティス』の「Peaches」が最優秀R&Bパフォーマンス部門にノミネートされた。
そして、第62回グラミー賞で主要4部門を制覇したビリー・アイリッシュと、今年最も勢いのある新人アーティストであるオリヴィア・ロドリゴがそれぞれ7部門でノミネートを獲得して、ジャスティンら3人に続いている。ビリーは主要部門では年間最優秀レコード賞と年間最優秀楽曲賞、年間最優秀アルバム賞の3部門にノミネートされており、一方のオリヴィアは、最優秀新人賞を含む主要部門の全4部門にノミネート。
加えて、ビリーの実の兄にして唯一の共同制作者であるフィニアスも、ビリーの楽曲をすべて手がけていることからオリヴィアと同様に主要4部門すべてにノミネートされている。もしオリヴィアかフィニアスのいずれかが主要4部門をすべて受賞することがあれば、ビリー以来、史上3人目という記録がかかっている。
また、主要部門に3部門ノミネートされたアーティストとしては他に、リル・ナズ・Xも最優秀新人賞を除いた主要3部門を含む、計5部門にノミネートされた。
以下、主要4部門にノミネートした作品やアーティストを紹介。ノミネートの全候補曲&アーティストは第64回グラミー賞の公式ページにて確認できる。
【年間最優秀レコード賞】
「 I Still Have Faith In You」ABBA
「Freedom」ジョン・バティステ
「I Get A Kick Out Of You」トニー・ベネット & レディー・ガガ
「Peaches」ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン
「Right On Time」ブランディ・カーライル
「Kiss Me More」ドージャ・キャット feat. シザ
「Happier Than Ever」ビリー・アイリッシュ
「Montero (Call Me By Your Name)」リル・ナズ・X
「drivers license」オリヴィア・ロドリゴ
「Leave The Door Open」シルク・ソニック
� Congratulations 64th #GRAMMYs Record Of The Year nominees: @ABBA, @JonBatiste, @itstonybennett & @ladygaga, @justinbieber ft. @DanielCaesar & @giveon, @brandicarlile, @DojaCat ft.@sza, @billieeilish, @oliviarodrigo, and @silksonic. pic.twitter.com/NJFs5ubjwG
— Recording Academy / GRAMMYs (@RecordingAcad) November 23, 2021
【年間最優秀アルバム賞】
『ウィー・アー』ジョン・バティステ
『ラヴ・フォー・セール』 トニー・ベネット & レディー・ガガ
『ジャスティス(トリプル・チャックス・デラックス)』ジャスティン・ビーバー
『プラネット・ハー』ドージャ・キャット
『ハピアー・ザン・エヴァー』ビリー・アイリッシュ
『バック・オブ・マイ・マインド』H.E.R.
『MONTERO(モンテロ)』リル・ナズ・X
『サワー』オリヴィア・ロドリゴ
『エヴァーモア』テイラー・スウィフト
『Donda(ドンダ)』カニエ・ウェスト
� Congratulations 64th #GRAMMYs Album Of The Year nominees: @JonBatiste, @itstonybennett & @ladygaga, @justinbieber, @dojacat, @billieeilish, @HERMusicx, @LilNasX, @oliviarodrigo, @taylorswift13, and @kanyewest. pic.twitter.com/6Zc9shD0h4
— Recording Academy / GRAMMYs (@RecordingAcad) November 23, 2021
【年間最優秀楽曲賞】
「Bad Habits」エド・シーラン
「A Beautiful Noise」アリシア・キーズ & ブランディ・カーライル
「drivers license」オリヴィア・ロドリゴ
「Fight For You」H.E.R.
「Happier Than Ever」ビリー・アイリッシュ
「Kiss Me More」ドージャ・キャット feat. シザ
「Leave The Door Open」シルク・ソニック
「Montero (Call Me By Your Name)」リル・ナズ・X
「Peaches」ジャスティン・ビーバー feat. ダニエル・シーザー & ギヴィオン
「Right On Time」ブランディ・カーライル
� Congratulations 64th #GRAMMYs Song Of The Year nominees (a songwriter(s) award): @edsheeran, @aliciakeys & @brandicarlile, @oliviarodrigo, @HERMusicx, @billieeilish, @DojaCat ft. @SZA @silksonic, @LilNasX, @justinbieber ft. @DanielCaesar & @giveon, and @brandicarlile. pic.twitter.com/ysrcbWzz62
— Recording Academy / GRAMMYs (@RecordingAcad) November 23, 2021
【最優秀新人賞】
アルージ・アフタブ
ジミー・アレン
ベイビー・キーム
フィニアス
グラス・アニマルズ
ジャパニーズ・ブレックファスト
ザ・キッド・ラロイ
アーロ・パークス
オリヴィア・ロドリゴ
スウィーティー
Congratulations 64th #GRAMMYs Best New Artist nominees: @arooj_aftab, @JimmieAllen, @babykeem, @finneas, @GlassAnimals, @Jbrekkie, @thekidlaroi, @arloparks, @oliviarodrigo, and @Saweetie pic.twitter.com/y9Ot1DUn20
— Recording Academy / GRAMMYs (@RecordingAcad) November 23, 2021
意外なあの人たちの初ノミネーションなど、注目のノミネートをピックアップ
その他にノミネートされた主なアーティストとしては、アリアナ・グランデが3部門にノミネートされ、最新アルバム『ポジションズ』が最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム部門にノミネートされたことで、セカンドアルバム『マイ・エヴリシング』から5作連続で同部門にノミネートされるという快挙を達成。また、今年リリースした再録アルバムの第1弾『フィアレス(テイラーズ・バージョン)』をグラミー賞に提出しないという決断を下したテイラー・スウィフトも、昨年リリースした『エヴァーモア』のほうで年間最優秀アルバム部門にノミネートされた。
また、セレーナ・ゴメスは今年3月にリリースした自身初のスペイン語EP『Revelación(リヴェラシオン)』で、最優秀ラテン・ポップアルバム部門にノミネート。記念すべき、グラミー賞初ノミネートを果たした。
さらに、今年40年ぶりとなるニューアルバム『Voyage(ヴォヤージ)』 をリリースしたABBAも、「 I Still Have Faith In You」で年間最優秀レコード賞にノミネート。意外かもしれないが、ABBAがグラミー賞にノミネートされたのは今回が初めてとなっている。
そして、今年も快進撃を続けたBTSは、全米1位を獲得したシングル「Butter」で最優秀ポップデュオ / グループパフォーマンス部門にノミネート。「Dynamite」でノミネートされた前回に続いて、2年連続でこの部門にノミネートされた。
一方、人気のポップアーティストたちが順調にノミネートを獲得したなかで、大御所であるジェイ・Zは前人未到の快挙を達成。これまでに23度にわたってグラミー賞を受賞してきたジェイは今回、フィーチャリングで参加したカニエ・ウェストの『Donda(ドンダ)』がノミネートされた年間最優秀アルバム部門を含む3部門でノミネート。これにより、ジェイは通算で81部門にノミネートされたことになり、クインシー・ジョーンズが保持していた記録を更新して、史上最もノミネーションを獲得したアーティストとなった。
開催は日本時間2021年2月1日
第64回を迎えるグラミー賞授賞式は日本時間2022年2月1日にロサンゼルスのステープルズ・センターにて開催。日本では、WOWOWにて二カ国語版(同時通訳)で独占生中継にて放送&配信されることが決定している。
第63回グラミー賞授賞式は日本時間2021年2月1日に開催される予定だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で日本時間2021年3月15日の開催に延期に。コロナ禍ということで、着席中のマスクは必須で、座席も間隔があけられ、パフォーマンスも事前に収録する人や別ステージでパフォーマンスを行なうなど、これまでの授賞式とは違った工夫が凝らされていた。(フロントロウ編集部)