LUSHがSNSからのサインアウトを発表
LUSH(ラッシュ)は、100%ベジタリアンで約9割がヴィーガンの製品を展開するナチュラルコスメブランド。社会のさまざまな問題に対していち早くアクションを起こしてきたことでも知られるLUSHは、これまで動物実験の廃止を目指す「NO!動物実験」キャンペーンや、オーストラリアで起こった森林火災で被災した野生動物を支援するチャリティソープを発売するなど、さまざまなキャンペーンを行なってきた。

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そんななか先日LUSHが発表したのが、SNSアカウントからのサインアウト。ラッシュがビジネスを展開する世界48の国と地域で運営するFacebook、Instagram、TikTok、Snapchat、WhatsAppの5つのプラットフォーム※のアカウントから一斉にサインアウトし、利用を停止すると明かした。
※日本でサインアウトの対象となるプラットフォームは、Facebook、Instagram、TikTokの3つ
SNSのアカウントは、今やほとんどのブランドが活用していると言っても過言ではないほどプロモーションに欠かせないツール。LUSHがそんなSNSのサインアウトという大きな決断に踏み切ったのは、さまざまな弊害を持つSNSに変化を求めるため。

SNSの弊害の問題を対処するため
LUSHのSNS停止のもっとも大きなきっかけとなった出来事が、今年10月にFacebook社(現Meta社)の元社員が行なった内部告発。
内部告発資料によると、同社のSNSがティーンエイジャーのメンタルヘルスに多大な悪影響を及ぼしていることや、いじめを助長する可能性が高いこと、フェイクニュースへの規制が著しく低いことなどが記されており、とくに海外では大きな波紋を呼んでいる。

これを受けて早急に対処することが必要であると考えたLUSHは、他の誰かがこの問題に関して警鐘を鳴らすのを待つのではなく、自らの行動を変えることで、この問題に対処したいと発表。
ブランドの共同創立者兼商品開発者であるマーク・コンスタンティン氏は、「私は生涯をかけて、人に害を与えるような原材料を商品に入れないようにしてきました。SNS利用時に私たちが危険にさらされているという証拠が、今や数多くあります。私は自分のお客様をこのような環境にさらしたくありません。今こそ行動を起こすべき時が来たのです」とプレスリリースで明かしている。
気になるSNSのアカウント停止期間は、より安全な環境をユーザーに提供できるようになるまで継続する予定だという。
ちなみにLUSHがSNSやインターネットに関する問題について警鐘を鳴らしたのはこれが初めてではなく、2016年からさまざまなキャンペーンを実施。2019年にはイギリスでのSNSアカウントを停止、2020年には日本を含む世界中でデジタルデトックスキャンぺーンを実施するなどのアクションを起こしていて、ついに今回SNSの停止という大きな決断を下した。
ただしLUSHは、完全に反SNSになるわけではないことも強調。現時点では、YouTubeをはじめとするその他プラットフォームは継続利用する意向であり、新しくユーザーとつながる方法を模索し、他の場所でより良いコミュニケーションの場を構築することを目指すという。
LUSHの一部SNSアカウントの停止は、2021年11月26日より日本を含む世界48か国で行なわれる。(フロントロウ編集部)