『あの夏のルカ』監督はスタジオジブリのファン
2021年6月にディズニープラスで配信開始となったディズニー&ピクサー映画『あの夏のルカ』。
その監督であるエンリコ・カサローザは、これまでに『アイス・エイジ』や『カールじいさんの空飛ぶ家』、『リメンバー・ミー』などの作品でストーリーボード・アーティストとして制作に参加。そして、2011年に彼が監督や脚本を務めた短編アニメーション映画『月と少年』は、第84回アカデミー賞短編アニメーション賞にノミネートされるほど高い評価を得た。
そんなカサローザ監督が、子供の頃に影響を受けたアニメーション作品があるという。それが、日本のスタジオジブリの宮崎監督による作品。米Varietyのインタビューで、監督がその思いを語った。
「子供の頃、テレビで流れるアニメが大好きになった。とくに日本のアニメーションに。大好きだったけど、“自分もアニメーターになりたい”という思いには繋がらなかった。そんな時、宮崎監督の映画を見たんだ。そして、アニメーションであれば、自分の絵に命が宿ると気がついた。そこからアニメーションを別の視点から見るようになったよ。ディズニーの映画や、宮崎監督の『天空の城ラピュタ』とかね。彼の映画には遊び心があって、そして素晴らしい」
宮崎監督による作品やディズニー作品を見て、絵に命が宿るということを知ったというカサローザ監督。その気づきを経て、現在ではディズニーのアニメーション映画を監督するまでになったカサローザ監督。彼は、『あの夏のルカ』の制作においてもスタジオジブリの作品を参考にしたことを明かしている。
ジブリとピクサーやディズニーの関係が深いことは知られた話であり、宮崎監督は、アポなしでピクサーの創設者の1人であるジョン・ラセターに会いに行っても、会えるほどの仲。いつかカサローザ監督と宮崎監督が対面する時もあるだろうか。
ちなみに、スタジオジブリの作品からインスピレーション得たと明かしている映画クリエイターは多い。MCU映画『エターナルズ』の脚本家であるカズ・フィルポは、宮崎駿監督の映画作品や、ゲームの「ファイナルファンタジーVII」は、“グレーな部分”で感情と倫理の複雑さを描いていると感じ、インスピレーションになっていたと明かしている。
(フロントロウ編集部)