『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者であるジョージ・R・R・マーティンは、ドラマ版のシーズン6以降の展開に納得していなかった。(フロントロウ編集部)

HBOとタッグを組んだジョージ・R・R・マーティン

 2011年から2019年にかけて放送され、米ケーブルテレビ局HBOの代表作の1つとなったドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』

 エミリア・クラークキット・ハリントン、メイジー・ウィリアムズやソフィー・ターナーなど、多くの俳優を有名にした本作は、ジョージ・R・R・マーティンによる『氷と炎の歌』シリーズが原作となっている。

 HBOとジョージは、2021年5月に、5年間で推定約50億円とも予想される大型契約を結んだと報じられており、現在は、2022年にアメリカで放送開始予定となっている、『ゲーム・オブ・スローンズ』よりも200年前が舞台となる新作ドラマ『House of the Dragon(原題)』を含む多数のスピンオフ作品の制作が進められている。


『GoT』シーズン6以降には不満

 ジョージとHBOの関係は超良好と言って良いものだが、映像制作において全員の意思が一致することは少なく、『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン6以降は、ジョージに不満も溜まっていたという。

 『ゲーム・オブ・スローンズ』のショーランナーであるD・B・ワイスとデイヴィッド・ベニオフが進んだ方向性にジョージは納得していなかったことを、ジョージの代理人であるポール・ハースが、HBO作品の裏側に迫った書籍『Tinderbox: HBO's Ruthless Pursuit of New Frontiers(原題)』のなかで明かした。

 「ジョージはダンとデイヴのことが好きだ。しかし、シーズン5を終えてから、彼らが行こうとしている方向を心配し始めた。ジョージは物語がどこへ向かっているか知っていたからね。彼は、『君たちは私のやり方に従っていない』と言うようになった。最初のシーズン5はジョージの計画に基づいていた。しかし彼らは、ジョージの計画から離れて行ってしまった」

 シーズン6以降については、その方向性を心配し、不満を抱いていた様子のジョージ。自分の小説が原作になっているドラマが自分の意図しなかった方向に進んでいくのを見るのは納得できない、という感情が分かる人もいるだろう。

 一方で、ジョージによる原作はまだ完結しておらず、つまりドラマが原作を追い越した形。ジョージはそのことについて、過去に複雑な心境を語っている。原作小説はシリーズ5作目までが発行されており、7作目で完結予定。

 つまり、ドラマのシーズン6以降がジョージの手から離れて行ってしまったというのは仕方ないと言える側面もある。ドラマが完結した今、ジョージによる小説では今後どのような展開が描かれるのかを待ちたい。

(フロントロウ編集部)

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