アレック・ボールドウィンが事故の詳しい状況を説明
俳優のアレック・ボールドウィンが、映画『Rust(原題)』の撮影現場で銃誤射事故が起きて以来初のインタビューに応じ、事故の詳しい状況や自身の責任の有無を明らかにした。
フロントロウで何度もお伝えしているのでご存じの方も多いと思うが、現地時間10月21日、米ニューメキシコ州で撮影中だった映画『Rust』のセットで、撮影監督のアリナ・ハッチンスが小道具の銃の誤射によって亡くなる事故が発生。この事故でジョエル・ソウザ監督も負傷した。銃に弾が装填されていることを知らずに撃ったアレックは、事前に助監督から“安全”だと伝えられていたそうで、アレックに銃を渡した助監督や武器係の確認不足が事故の原因と見られている。また、アレックが撃った銃は正確には小道具の銃ではなく“本物の銃”で、なかに実弾が入っていたことがその後の捜査で明らかになっている。
米ABCの番組『20/20』による独占インタビューの冒頭で、「私が被害者だと思われることは避けたい。実際に被害を受けた人が2人もいるんだ。あの日、事故に至るまでのすべての出来事は、あるひとつの考えに基づいて引き起こされた。アリナと私は同じ考えだった。つまり2人ともダミーの弾を除いて、銃は空っぽだと思っていた」と述べたアレックは、事故直前の詳しい状況を聞かれ次のように語った。
「すべては彼女(アリナ)の指示によるものだった。リハーサルだと聞かされていた。彼女は私にこう言ったんだ。『銃を低く構えて。右に行って。それで大丈夫。もうちょっと低くして』と。そして、彼女に言われたとおり銃をかまえた。彼女から決まった角度で銃を持つよう指示され、そのとおりにやった。しかし、結果的に彼女の脇の真下を狙うことになってしまった」
さらに「私は引き金を引いていない」と言うと、「銃をコックして、『ちゃんと見える?』と再三にわたって確認した。そして、ハンマーを離した瞬間、銃が発射されたんだ」、「私は人に銃を向けて引き金を引くことは絶対にしない。絶対にだ」と続けた。当然、実弾が入っていることも知らなかったそうで、事故から1時間ほど経った頃に、ようやく“実弾が入っていたのかもしれない”という考えが頭に浮かんだという。
“罪悪感はあるか”との問いに「ない」と答えたワケ
また、あれ以来ずっと事故のことを思い出して眠れない日々を過ごしているというアレックだが、“罪悪感はあるか”との問いに対しては「ない」と答えた。その理由についてこう説明している。
「(罪の意識は)ない。誰かに責任があることは間違いない。それが誰なのかは言えないが、私ではないことはわかっている。正直に言おう。もし自分に責任があると思ったら、私は自殺していたかもしれない。決して軽い気持ちで言っているわけではない」
.@GStephanopoulos: "Do you feel guilt?"
— ABC News (@ABC) December 3, 2021
Alec Baldwin: “No. Someone is responsible for what happened and I can’t say who that is, but I know it’s not me.”
READ MORE: https://t.co/zYugqKhIVW #BaldwinABC pic.twitter.com/97F9wOYYTT
アレックの発言は少々冷たく聞こえるかもしれないが、アメリカは訴訟社会で、少しでも自分に非があることを認めれば、後々、裁判などでそのことを指摘される可能性も。今回の事故で、個人的に刑事責任を問われることは“恐らくない”と言われているそうだが、『Rust』のプロデューサーに名を連ねるアレックは、すでにスタッフ2名から訴えられており、今後、さらに別の関係者から責任を追及されることも考えられる。そういった複雑な事情から“罪悪感はない”と言い切ったことが予想される。
ちなみに、事故の責任をめぐっては、アリナの父も「私はアレック・ボールドウィンの責任を問うつもりはありません。小道具の銃の管理を任されていた人たちの責任です」と英The Sunの取材で述べている。(フロントロウ編集部)