2021年に映画『Rust』の撮影現場で俳優のアレック・ボールドウィンが小道具の銃を誤射し、撮影監督が死亡した事故で、検察はなぜアレックを過失致死容疑で刑事訴追した?フロントロウが解説。(フロントロウ編集部)

アレック・ボールドウィンが過失致死容疑で訴追へ

 2021年、俳優のアレック・ボールドウィンが主演兼プロデューサーを務める映画『Rust』の撮影中に小道具の銃を誤射し、撮影監督が死亡した事件で、ニューメキシコ州の地区検察は19日(現地時間)、「徹底的に検討した結果、刑事告訴するのに十分な証拠があると判断した」として、アレックと武器係のハンナ・グティエレス・リードをそれぞれ2件の過失致死罪で訴追する方針を明らかにした。

 米Peopleによると、ニューメキシコ州で過失致死罪は第4級の重罪で、最高で18ヵ月の懲役と5,000ドルの罰金に処せらる。もうひとつの不法行為による過失致死罪も同じく第4級の重罪で、最高で18ヵ月の懲役と5,000ドルの罰金に処せらるが、銃器が関与している場合は追加でペナルティが発生し、有罪になれば5年の懲役刑が確定するという。

画像: アレック・ボールドウィン(左)と亡くなった撮影監督のアリナ・ハッチンス(右)。

アレック・ボールドウィン(左)と亡くなった撮影監督のアリナ・ハッチンス(右)。

 検察の発表を受けて、アレックの弁護士であるルーク・ニカス氏は、「この決断は、アリナ・ハッチンス氏の悲劇的な死を歪曲し、ひどい誤審を意味するものです。ボールドウィン氏は、銃の中あるいは映画のセットに実弾があることを知る由もありませんでした。彼は、一緒に仕事をした銃のプロフェッショナルが、その銃には実弾が入っていないと断言したことを頼りにしていました。私たちはこの容疑と戦い、必ずや勝利します」と声明を発表。

 また、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)は、「アリナ・ハッチンスの死は悲劇であり、予防可能であったからこそ、より一層悲劇です。しかし、それは演者の義務違反や犯罪行為ではありません。俳優が制作現場で銃器の機能的・機械的動作を確保する義務を負うという検察官の主張は誤りであり、無知です。俳優の仕事は、銃器や武器の専門家になることではありません」(※一部抜粋)と、アレックを擁護するコメントを出した。

This article is a sponsored article by
''.