『マトリックス レザレクションズ』のバッグス役や『ゲーム・オブ・スローンズ』のナイメリア・サンド役で注目のジェシカ・ヘンウィックって、どんな人?(フロントロウ編集部)

ジェシカ・ヘンウィック、エスニックマイノリティとしての情熱

 映画『マトリックス レザレクションズ』やドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』、MCUドラマ『アイアン・フィスト』などに出演し、存在感を放つ俳優ジェシカ・ヘンウィック。

 ライアン・ゴズリングとクリス・エヴァンスの共演で注目を集める映画『The Gray Man(原題)』や、超豪華キャストで話題の『Knives Out 2(原題)』にも出演が決定しており、その勢いは増している。

 そんな彼女は、イギリス出身の1992年生まれ。シンガポール人の母とイギリス人の父を持つジェシカは、16歳の時にイギリスの子供向けテレビ番組『Spirit Warriors(原題)』の主演に抜擢された。それまで、イギリスのテレビ番組シリーズで東アジアの女性がメインを務めたことはなかった。

 「画面のなかで充分に見たことがないと感じる役を作りたいだけ。語られてこなかった物語を話したい」

画像: ジェシカ・ヘンウィック、エスニックマイノリティとしての情熱

 英NMEにそう話す彼女は、その後、俳優としてのキャリアを追ってアメリカへ渡った。しかしアメリカでそう簡単に成功はできず、アメリカからイギリスへ帰国。すると、そのタイミングでアメリカのエンターテイメント業界から彼女への注目が高まり、今に繋がるということになったそう。

 イギリスを離れたことについてジェシカは、「残念なことだけど、多くのエスニックマイノリティのイギリス人俳優たちは、どこかの時点でアメリカに行かなくてはいけないと感じることになる。役柄があっちのほうがかなり多様的だから」と、イギリスのエンターテイメント業界が抱える問題を指摘した。


アクションが得意な理由は…?

 そんなジェシカは、映画『マトリックス レザレクションズ』や『ラブ&モンスターズ』、ドラマ『アイアン・フィスト』など、アクション作品への出演が多い。そのなかで見事なアクションを見せてきたが、そこにはある理由があるよう。

 ジェシカが米W Magazineで話したところによると、彼女は幼少期からバレエとピアノを習っていたという。彼女は、「私は上手なマテリアルアーティストではなくて、ただ、振りつけをすごく良く拾い上げることができる」と言い、それは100%、ダンスとピアノの練習からきていると話した。

画像: アクションが得意な理由は…?

 ちなみに、ジェシカと『マトリックス レザレクションズ』で共演し、新たなエージェント・スミスを演じきったジョナサン・グロフは、元々はミュージカル俳優。音楽のセンスが光るキャストたちだったよう。


監督・脚本家としての才能

 ジェシカの父親は彼女が俳優の道を進むことに賛成ではなく、娘には弁護士になってほしがっていたと、ジェシカは英NMEで明かす。しかし一方で、彼女の父親は作家。そのため、そのクリエイティビティは彼女に大きく影響したという。

 ジェシカが自分で物語を書き始めたのは、プロとして演技を始める前のこと。そして、監督としてデビュー作のショートフィルム『Bus Girl(原題)』を撮った彼女は、Amazonプライム・ビデオのドラマ『Nancy Wu Done It(原題)』で監督と共同脚本家を務める。

 女性、とくに有色人種の女性にオファーされる役柄に問題を感じていた彼女は、本作で、ドラマ『THE FLASH/フラッシュ』や『ハンニバル』のアジア系女性脚本家カイ・ユー・ウーと組み、プロデューサーも女性、アマゾン側のチームも多くが女性という環境で、女性主人公のドラマを作り上げる。

 アジア系のジェシカがエンターテイメント業界で切り開いていく道は、さまざまに大きな意味を持つ。彼女の才能に期待。

(フロントロウ編集部)

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