現代のカルト的人気ホラー映画『ミッドサマー』
『ミッドサマー』は、映画『へレディタリー/継承』のアリ・アスター監督による2020年公開のホラー映画。スウェーデンの山奥にある怪しげな村で、90年に一度だけ開催される祝祭を見学しに行く5人の大学生たちが体験する、世にも恐ろしい体験を描き、一大ブームを巻き起こした。
そんな本作で主演を務めたフローレンス・ピューは、MCU映画『ブラック・ウィドウ』でエレーナ役を務めたほか、映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』でアカデミー賞にノミネートされた売れっ子俳優。
『ミッドサマー』では、主人公のダニを演じ、泣いたり叫んだりと渾身の演技を披露。フローレンスは、そんな主人公の「泣き声」が、多くの視聴者に印象的だったと言われた理由を分析した。
『ミッドサマー』の主人公の泣き声が印象的だった理由
ポッドキャスト『An Hour Or So With…』に出演したフローレンスは、幼い頃から「気管軟化症」という病気を患っていたことを告白。
気管軟化症は、息をするときに空気の通り道である気道がつぶれてしまう病気で、呼吸困難をはじめ肺炎や呼吸器の感染症などの様々な病気を誘発する。年々症状は軽くなっているそうだが、子供のころは頻繁に病気にかかっていて、今でも病気になると重い症状になってしまうという。
そしてフローレンスは、『ミッドサマー』で自分の泣き声が印象的だったのは、気管軟化症の症状を改善するために喉に入れているチューブのためだとコメント。
彼女が号泣するシーンで、むせび泣きながら咳をしていたことや、苦しそうな息遣いをしていたのは、このことが原因だそう。フローレンスは、「笑って聞こえるような耳障りな音は、私の呼吸管が動いている(振動している音を出している)から」と、『ミッドサマー』での泣き声が印象的だと言われる理由を分析している。
ちなみにフローレンスは気管軟化症のせいで俳優をあきらめようとしたことはなく、今後気管を移植する可能性もあるが、それで自分の声が変わるかどうかはわからないと語った。とはいえ、今後彼女がどんな選択をしようとも、その高い演技力で乗り越えていくに違いない。(フロントロウ編集部)