ホームランダーとスーパーマンが戦ったらどうなる?
Amazonプライム・ビデオによる大ヒットドラマ『ザ・ボーイズ』は、腐敗したヒーロー集団のセブンと、彼らをビジネスに利用するヴォート社、そして2つの集団に立ち向かうザ・ボーイズの戦いを描く。
ヒーローは数多く登場するが、観客が憧れることができるヒーローは少ないという、ひと癖もふた癖もあるヒーロードラマで、視聴には年齢制限もある本作だが、ヒーローたちが強いのは事実。
では、ヒーローたちが“正統派”ヒーローと戦ったらどうなるのだろうか? 米The Illuminerdiのインタビューで、『ザ・ボーイズ』のショーランナーであるエリック・クリプキが、ホームランダーがスーパーマンと戦った場合、ホームランダーが勝つと考えていると話した。その理由は?
「絶対にホームランダーでしょう。スーパーマンにはモラルがあるし、ホームランダーは筋金入りのソシオパス(※)ですからね。だって、ホームランダーはスーパーマンの睾丸を剥ぎ取ることになんの躊躇もないはずです。ゼロですよ。そしてスーパーマンはベルトより上をパンチするようなタイプでしょうから」
※反社会的性人格障害を持つ人。サイコパスと似ているが、サイコパスは生まれつきであるのに対して、ソシオパスは育った環境など後天的な要因が原因だと言われる。
ホームランダーはスーパーマンに勝つ。その発言はホームランダーの実力を褒めるものだが、続けてエリックが説明した理由に、ホームランダーへの称賛は一切なかった。
セブンのリーダーであり、表向きは絶大なる人気を誇るホームランダー。『ザ・ボーイズ』の視聴者は彼が最低最悪の外道であることを知っているが、それでもなお彼がカリスマ的存在であると感じることには、エリック率いる制作陣の手腕を認めざるを得ない。
そしてそんなホームランダーを描くうえで、ホームランダーへの共感や賛辞は一切ないことが、『ザ・ボーイズ』の作品全体のクオリティに繋がっているのかもしれない。
シーズン2で登場したストームフロントを演じたアヤ・キャッシュも、「このキャラクターは知性をもって扱われなければならないものだった。私が同意できないような方法でこのキャラクターが美化されることはあってはならなかった」と話したうえで、「だからエリックと話した後は、すごく、すごく守られていると感じた」とし、エリックの方針に安心したと明かしている。
(フロントロウ編集部)