※この記事には『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1～4話のネタバレが含まれます。
第４話の隠れメッセージ
- キャリーが不動産業者のシーマに「（ビッグは）ベージュを好まなかったの」と言うシーンがあるが、ビッグは『SATC』シーズン3のときに当時の妻ナタリーの趣味で家中がベージュで統一されていることに「ベージュは最悪だ」と文句を言っていた。
- 『SATC』シーズン3で禁煙することに成功したキャリー。当時はニコチン中毒の適格な描写が評価されてPRISM賞も受賞した。最終シーズンで喫煙文化が盛んだったパリ移住した際に一時的に喫煙者に戻ったキャリーが、今回のエピソードでストレスの末に再びタバコに火をともす。
- シャーロットがリサ主催のディナーパーティーに招待されたあとに、ハリーの“汗っかき”な側面がリサとシャーロットのあいだで話題に。『SATC』でハリーと出会った当初、シャーロットは彼の汗っかきな性質を嫌っていた。
- キャリーの独身時代のアパートでは、2008年の映画1作目で着用していたEugene Alexanderの白いドレスや、ドラマ『SATC』シーズン4で着用していたカラフルなワンピースなど、懐かしのアイテムが多数登場する。
不妊、キャリアと子供、恋愛...女性たちが本音を明かす
第4話では新しい友情が花開く。ミスター・ビッグと暮らしていたマンションを売りに出すことにしたキャリーは、高級不動産業者であるシーマ・パテル（サリター・チョウドリー）と出会う。ミランダは憧れの教授であるナヤ・ウォレス博士（カレン・ピットマン）と授業の外で親交を深め、シャーロットは憧れのセレブママであるリサ・トッド・ウェクスリー（ニコール・アリ・パーカー）とプライベートで付き合うようになる。
シーマ（左）は高級不動産ブローカーとして成功を収めた50代独身女性。
セレブママ・ファッションが見られたり、富裕層の不動産事情が知れたりと、NYハイソサエティのライフスタイルが垣間見られた第4話は、キャリアと家庭の両立、不妊、50代での恋愛、さらに、いくつになってもなくならない友情の悩みなど、人生経験豊富な女性たちのリアルな悩みが聞けたエピソードだった。
リサ（右）はアッパーイーストサイドで広い人脈を持つセレブママ憧れの存在。
50代になってもデートアプリを駆使して現役バリバリのシーマを尊敬するキャリーと、ミスター・ビッグという最愛の人がいたキャリーを羨ましく思うシーマ。子供を持たないといつか後悔するのではと恐れるウォレス博士と、もしも子供を作っていなかった場合に送っていたかもしれない人生を思い描くミランダ。そして、完璧なリサに釣り合う友達になろうと必死だったシャーロットは、リサも同じ気持ちだったことを知る。それぞれ状況も立場も違う女性たちだが、ふと自分の人生は“これでいいのか”と悩む瞬間や、他人の生活に憧れることがある点はみんな一緒だということに気づかされる。
ちなみに、このエピソードで女性たちが話題にあげた「HALT」は、「Hungry（お腹が空いている）」「Angry（怒っている）」「Lonely（孤独を感じている）」「Tired（疲れている）」の頭文字をとったもので、これら4つを感じているときに人間は自己破滅的な行動を取りやすいため、決断をやめるべきだというもの。もともと依存症のクラスで使われていた考えだが、現在はヘルシーで幸せなライフスタイルを送るためのマントラのひとつとして使われている。
キャリーのアパートが再登場！ 懐かしのアイテムがずらり
ドラマシリーズ時代からのアイコニックなチュチュスタイルを新たに披露。
キャリーは結婚後も独身時代のアパートを所有していることが第1話から明かされていたが、いまだにアパートにはクローゼットいっぱいのデザイナーアイテムが残されていることが今回のエピソードで分かった。古いコーヒーマシンも固定電話も昔のままで、ビッグとの愛の巣を売ってここに戻ってきたことが、キャリーが独身に戻ったことを強く印象づける。
キャリーにとって最も大切な場所であるクローゼットにビッグの遺灰を置いたことは印象深かった。
クローゼットのシーンでは、映画1作目で着たホワイトの花のワンピースやシーズン4で着たカラフルな花柄のワンピースなど懐かしのアイテムが登場。クローゼットのイースターエッグ（※）にはサラ・ジェシカ・パーカーもこだわっていたようなので、オリジナルのファンは一時停止して眺めたいシーン。※隠れメッセージやアイテムのこと。
^ ドラマの衣装の公式インスタグラムアカウントでは、第4話のクローゼットシーン撮影中にクローゼットに懐かしのアイテムを配置する作業を自ら指揮するサラ・ジェシカ・パーカーの姿が公開された。
さらによく見てみると、映画1作目で大改装された部屋が再び改装されていることが分かる。2008年の映画『セックス・アンド・ザ・シティ』では、壁紙がターコイズブルーに変わり、家具もカラフルなものに置き換えられた。しかし現在の壁紙は落ち着いた色で、家具もオリジナルドラマ時代と同じものが多く置かれている。
1ベッドルームであるキャリーのアパートを実際に現代のニューヨークで賃貸したら月に50万円前後、購入したら4億円前後かかると言われている。このレベルの物件をクローゼット代わりに使い、住居でもないのに大改装して、さらにオリジナルドラマで使っていた家具を置いておけるスペースもどこかにあったことからは、キャリーとビッグの生活レベルの高さが伺えた。
スタンフォード役、ウィリー・ガーソンとお別れ
『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』配信開始前にがんのために他界した、スタンフォード役のウィリー・ガーソン。彼が最後に参加したエピソードは第3話。第4話では、“日本で大人気のTikTokスターのエージェントとして東京に引っ越した”という事実がキャリー宛ての手紙で明かされた。突然の別れを告げられたアンソニーとキャリーは、ワケがわからないという表情を見せる。
夫アンソニー役のマリオ・カントーネは、ウィリー・ガーソンの他界後に「これほど素晴らしいテレビでのパートナーはいない」と声明を発表した。
ファンのなかには感動の最後を期待していた人もいるかもしれないが、シリーズを通して天然キャラのお茶目な友人としてコミカルな言動でファンを楽しませてきたスタンフォードのお別れシーンとしては、このライトさはぴったりだったのかもしれない。そしてエピソードの最後には、「ウィリー・ガーソンをしのんで」というキャストやクルーからのメッセージが記された。
ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1～4話は、U-NEXTにて見放題で独占配信中。毎週水曜日0時に新エピソードが1話更新され、第5話の配信は1月26日（水）となる。U-NEXTでは『セックス・アンド・ザ・シティ』全6シーズン及び映画2作も配信中。（フロントロウ編集部）
