『AJLT』と『ゴールデン・ガールズ』の共通点
女性たちのリアルな毎日を生き生きと描いたドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の新章である『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章(以下、AJLT)』は、現在配信中。
50代となったキャリー、ミランダ、シャーロットの姿はふたたび多くのファンを惹きつけているが、ある事実については驚きの声があがっている。
アメリカでは、1985年から1992年にかけて、1つの家に住む4人の年配女性を描いたコメディ『The Golden Girls(ゴールデン・ガールズ)』という作品が放送され、エミー賞を含む数々のアワードで高く評価された。
そしてこの女性たち、なんとキャリーたちと同年代なのだ!
各作品の女性キャラクターの年齢
アメリカの朝の情報番組『Today』によると、『ゴールデン・ガールズ』のシーズン1で、ベティ・ホワイトが演じたローズは55歳、ビアトリス・アーサーが演じたドロシーは53歳、ルー・マクラナハンが演じたブランシェの年齢は47歳。そしてエステル・ゲティが演じたソフィアは他の3人よりも年上で、79歳。(※)
※各キャラクターの詳細な年齢設定については諸説あり、米Peopleは、ローズとドロシーはともに55歳、ブランシェは47歳か53歳という説が有力で、ソフィアは80歳だとしている。
そして『AJLT』では、キャリーは55歳、ミランダとシャーロットは54歳。
『Today』の司会者で57歳のホダ・コットは、この話題について話している途中でブランシェの年齢に気がついた時に、「47歳!?」と驚愕していた。
社会の変化に多くの驚きの声があがる
両者がまったく別世代に見える理由としては色々な意見が挙がっており、例えば、ファッションやヘアスタイルが違うからではという声がある。ライターのLouis Peitzmanは、こんなコメントをツイートした。
「50代、60代に対する捉え方は、この35年でかなり変わったよね。ここでは、スタイリングと髪の毛を染めることが重要なポイントになっている。(それは『AJLT』の展開のポイントでもある)。『ゴールデン・ガールズ』も、元気に働いて、たくさんヤる女性たちだったし!」
とはいえ、新章で白髪になったミランダが、『ゴールデン・ガールズ』の白髪の女性たちと同じ年代に見えるかと言われると、意見が分かれそうなところ。
そのほかには、映像界における40 代以上の女性たちの社会的な立ち位置が変化したからだとする見方もある。
『ゴールデン・ガールズ』も生き生きとした50代女性たちを描いたコメディとはいえ、“高齢女性”という立ち位置で描かれたことは事実。一方で『AJLT』では、50 代の女性特有の悩みがジョークまじりに会話に登場するとはいえ、“高齢者”という立ち位置で描かれておらず、“人生経験豊富な人生半ばの女性たち”という描かれ方をしている。
50代女性の描かれ方が変わったのはフィクション作品における表現の話だけでなく、この35年で現実に女性たちが年齢に縛られることなくより一層人生を楽しめるようになったからなのかもしれない。
インターネット上では、「『ゴールデン・ガールズ』は、40代になれば女性が“年寄り”とされる時代に放送された。一方で、私たちはゆっくりだけど、女性たちがしたいように年を重ねるのを受け入れてる」という意見もあがった。
ちなみに、『ゴールデン・ガールズ』のベティとビアトリスは実際には63歳、エステルは62歳、ルーは51歳だった。テレビにおいて50〜60 年代の女性のレプリゼンテーションが少なかった時代に、60 代の女性俳優たちがメインを務め、人生を楽しむ様子が描かれたことは大きな功績と言える。
(フロントロウ編集部)