U-NEXTにて見放題で独占配信中のドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』。『SATC』らしい魅力に溢れた第5話では、ついにサマンサが“登場”! その他のエピソードのレビューは「AJLTレビュー」をチェックして。(フロントロウ編集部)

※この記事には『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1~5話のネタバレが含まれます。

第5話の隠れメッセージ

  • キャリーがポッドキャスト番組でネタにする、“サマンサ・ジョーンズが私の避妊用ペッサリーを素手で取り除いてくれた”というエピソードは、オリジナルドラマ『SATC』のシーズン2第6話で実際に起きたこと。キャリーのアパートでガールズナイトをしている時に、トイレにこもっていたキャリーが「避妊用ペッサリーが引っかかってしまったから助けてほしい」とお願いする。どちらがやるかで口論になるミランダとシャーロットをスルーして、後ろから現れたサマンサがマティーニを一気飲みしてトイレへと入っていく。サマンサのかっこよさと、キャリー&サマンサの友情の深さがまざまざと分かったシーンだった。
  • エピソードの冒頭では、キャリーのアパートの部屋に向かうための階段(共有エリア)がシリーズ史上初めて見られる。

『SATC』らしさが楽しめた第5話

 第5話は、『セックス・アンド・ザ・シティ』“らしさ”がたくさん詰まったエピソードだった。

画像1: 『SATC』らしさが楽しめた第5話

 股関節に先天性の異常があることが分かり手術を受けることになったキャリーは、大胆で自己流なファッションで視聴者を楽しませてきた彼女らしさを見せた。まず、腰の手術を受けるためにフラットシューズを履いて入院しなくてはいくなったのだが、最後に買ったフラットシューズは“2007年に買ったトムスの靴”であるというキャリーは、ハイヒールを履いていないから「すごく落ち着かない」と病院でこぼす。さらに、手術後に病室のベッドで麻酔から目覚めるときには胸元にパールのネックレスが。付き添いで来ていたミランダとシャーロットが寝ている間に着けてあげた可能性もあるが、どんなシーンでもファッションにコミットするキャリーのこだわりからして、ドクターを説得して手術中も着けていたとしても驚きではない。

画像2: 『SATC』らしさが楽しめた第5話

 また、日本のファンには嬉しいことに、フラットシューズを履かなくてはいけなくなってもお洒落にこだわるキャリーが選んだのは、日本人デザイナーのアイテム! キャリーが病院からアパートに帰ってくるシーンでは、日本発の若手ファッションブランド「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」とイタリアの老舗ブランド「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」のコラボレーションによる2021年春夏コレクションより、ボリューミーなシルエットのサンダルが選ばれた。

画像3: 『SATC』らしさが楽しめた第5話

 そして、第5話の米配信時に最もSNSを騒がせた、ミランダのセックスシーン。キャリーが術後にアパートで寝ているあいだに、キャリーの上司チェ・ディアスがお見舞いに訪れる。キャリーが寝ていたため、その場にいたミランダとチェは、チェが持ってきたテキーラをこっそり楽しむことに。そしていい感じで酔ってきたなか、突然、2人はキッチンでセックスを始めて、ミランダは「今までで一番良かった」というオーガズムを経験する。2人のセックスを目撃したキャリーは、既婚者であるミランダに“一体どういうつもりなのか”と詰め寄るのだが、それに対してミランダからは、「私は不幸せなの。幸せじゃない。わかった?窒息しそう。結婚生活がイヤで仕方ない」と、これまで押し殺していた本音が怒号と共に溢れ出す。視聴者を驚かせる大胆なストーリー展開で女性たちの本音を描くことこそ、『SATC』のレガシー。第5話のこのシーンでは、そんな『SATC』らしさが鮮やかに出ていた。

画像4: 『SATC』らしさが楽しめた第5話

 一部ではミランダのこの展開は“突然すぎる”とする声もあるが、ミランダを演じるシンシア・ニクソンは夫と離婚した後に同性と結婚し、ノンバイナリーであるチェ・ディアスを演じるサラ・ラミレスは40代になってノンバイナリーであることをカミングアウトして夫と離婚した。もちろん浮気は良くないが、30代を超えて自身のセクシャリティやジェンダーアイデンティティと向き合う女性やノンバイナリーの人々は実際に存在しており、シンシアとサラにとっても、このシーンはパーソナルなストーリー。さらに、人生半ばに到達して全く新しい人生を生きよう、生きたいと思う女性はたくさんいるはず。状況は違えど、現在の結婚生活に“囚われている”と感じるミランダに共感する女性は多いのでは。

画像5: 『SATC』らしさが楽しめた第5話

 ちなみにミランダは、第5話でついに飲酒問題と向き合う。シャーロットが、禁酒するためのガイドブックをアマゾンを通して送ってきたことに腹を立てたミランダは、“自分に飲酒問題はない”とまくし立てる。しかし最終的に、この本は、ミランダが酔った状態で買ったものだったことが発覚。記憶がないことと、酔った自分がお酒をやめたいと思っていたことに愕然としたミランダは、ついに問題を認めて禁酒を決断する。ミランダがこの時注文した本は、ベストセラー入りした『Quit Like a Woman: The Radical Choice to Not Drink in a Culture Obsessed with Alcohol』。クリッシー・テイゲンをはじめセレブもおすすめするほどカルト的な支持を得ている禁酒本だが、残念ながら現時点で和訳版は出ていない。

サマンサ・ジョーンズがついに“登場”する

 そして第5話の後半では、なんと、今シリーズにおいて初めてサマンサが“登場”する。

画像: サマンサ・ジョーンズがついに“登場”する

 キャリーは術後に強い薬が効いた状態で、自身の出演するポッドキャスト番組にて、「私の友人のサマンサ・ジョーンズが私の避妊用ペッサリーを、なんと素手で取り除いてくれた」と告白。それに対してシャーロットから、“ポッドキャストで話したことをサマンサに伝えた方が良い”と言われ、サマンサにメッセージを送る。

 このシーンでキャリーとサマンサのメッセージでのやり取りが画面に映るのだが、ファンにとっては心躍る事実がわかる。キャリーとサマンサが、キャリーの本のプロモーションを巡って喧嘩になり疎遠になってしまったことと、キャリーがこれまで何度メッセージを送ってもサマンサから返事はなかったことは、過去のエピソードで明かされていた。

 しかし第5話のこのシーンで、キャリーが第2話の最後のシーンで送った「thank you(ありがとう)」というメッセージ(※)に、サマンサが「of course(もちろん)」と返信していたことが明らかに。そしてキャリーが新たに送った、避妊用ペッサリーに関するメッセージにも「最高の思い出」とサマンサから返信が返ってくる。思い切って「会いたい」と送ってみたキャリーの言葉に、サマンサは何かを打ちはじめて結局送信をやめてしまうが、2人の掛け合いの面白さは文章でのやり取りからも伝わる。思わずキュンとしてしまったファンも多かったと思うこのシーンは、文章とはいえ、サマンサが新作に“登場”した初のシーンとなる。※ミスター・ビッグのお葬式の際にサマンサが花を贈り、キャリーが葬式後にサマンサにthank you とメッセージを送った。第2話のレビューはコチラ

 サマンサ役のキム・キャトラルはシリーズへのカムバックはないと断言しているので可能性はないと見られているが、ドラマ側がサマンサ役の復活を求めていて、そのための舞台を残していることが伺えるシーンだった。

 ドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』第1~5話は、U-NEXTにて見放題で独占配信中。毎週水曜日0時に新エピソードが1話更新され、第6話の配信は2月2日(水)となる。U-NEXTでは『セックス・アンド・ザ・シティ』全6シーズン及び映画2作も配信中。(フロントロウ編集部)

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