エヴァン・レイチェル・ウッドの“最初の被害”を告発
複数の女性から性的暴行や性的人身売買で訴えられているミュージシャンのマリリン・マンソンと2006年から2011年にかけて交際していた俳優のエヴァン・レイチェル・ウッドが、19歳のときに出演したマリリンの楽曲「Heart-Shaped Glasses(原題)」のミュージックビデオの撮影中に同氏からレイプされたことを、現在開催中のサンダンス映画祭で上映されたドキュメンタリー映画『Phoenix Rising(原題)』のなかで明かした。
「(撮影は)私が考えていたものとはまったく違うものでした。事前に説明を受けた内容とは違うことをさせられたのです。セックスシーンを“演じる”という話はしていましたが、カメラが回ると、彼は本当に挿入してきました。私はそんなことに同意した覚えはありません。私はプロの俳優で、たくさんの現場に携わってきました。後にも先にもあれほどアンプロフェッショナルな撮影に参加したことはありません」
以前、フロントロウでお伝えしたが、昨年2月、エヴァンは出会った当時まだ未成年だった彼女に対してマリリンがグルーミング(※)を行なったことを告発している。グルーミングによって心理的に支配された状態にあったエヴァンは、マリリンから「(何をされても)決して言い返さずただやり過ごすように」と教え込まれていたこともあって、自分の意見をどう主張すればいいのかも、どう断ったらいいのかさえもわからなかったという。
※性的搾取を行うことを目的に接近し、精神的に支配する行為。
誰も助けてくれず、トラウマになるような体験をしたと話すエヴァンは、そのときの彼女自身と現場の状況について「完全にカオスでした。(中略)撮影が終わったあと、吐き気に襲われました。恥ずかしいことをしてしまったと感じました。スタッフもみんな気まずそうで、どうしていいかわからないといった様子でした」と説明すると、さらにこう続けた。
「私は騙され、商業的なセックスを強要されました。そのとき、私に対する最初の犯罪が行われたのです。私はカメラの前でレイプされたのです」
事件が起きた直後は、怖くて声をあげることができなかったというエヴァン。その後もマリリンとの関係はしばらく続いたが、虐待行為はどんどんエスカレートしていったそうで、彼と別れてからは、自身の身に起こったことについて自分自身を責める日々が続いたという。
そんな彼女は、上映後に行われたQ&Aセッションで「真実を伝えるときが来ました。ついに自分の言い分を主張するときが来たのです。信じる人は信じてくれるでしょう。人々を納得させるのが私の仕事ではありません。嘘はついていません。真実を伝えるのが私の仕事であり、ずっとそうしてきました。それが今の私にできるすべてです」と、力強い言葉を残している。(フロントロウ編集部)