カーディ・Bが名誉毀損裁判で悪質ユーチューバーに勝利
ネット上でデマを拡散し故意に自身の名誉を傷つけたとして、ラッパーのカーディ・Bから名誉毀損で訴えられたユーチューバーのターシャ・Kことラターシャ・ケベが、すでに判事から支払いを命じられていた125万ドル(約1.4億円)に加え、新たに約3億円の追加賠償を命じられたことがわかった。
ケベは数年前、カーディは「金でセックスを売る女」、「性病のヘルペスに感染している」、「ストリッパー時代にビール瓶とヤッた」、「(妊娠中に)赤ん坊に有害な薬物を摂取している」など、カーディに関する誤った情報を含む悪質な内容の動画をネット上に複数公開し、のちに“根も葉も無いデマを拡散した”としてカーディから訴えられた。
米Billboardによると、ラターシャは懲罰的損害賠償として100万ドル(約1.1億円)を負担する必要があり、彼女が経営する会社Kebe Studios LLCに対しても追加で50万ドル(約5,700万円)の支払いが命じられた。また、ラターシャはカーディに彼女の訴訟費用を返済しなければならず、その額は合計で130万ドル(約1.5億円)に上る。これにより、カーディは合計で約4億5,000万円の損害賠償金を手にすることになる。ちなみに、ラターシャ側は評決に同意できないとして、控訴を予定しているという。
カーディ・Bがコメントを発表
裁判に勝訴したことを受けて、カーディは米Peopleを通じて声明を発表。「約4年間、私に対する誹謗中傷が繰り返されてきましたが、勝利を手にすることができ大きな幸せを感じています」と喜びを露わにすると同時に、「私は自分の意見を聞いてもらえない、正当な評価を得られないと思い、完全に無力で弱気になっていました。名声を得たことで得られるプラットフォーム(土台)を当然と思ったことはありません。だからこそ、3年以上にわたって、ありとあらゆる手段を使って正義を追求してきました」と言うと、自分のためだけの正義を望んでいるわけではないとしてこう続けた。
「私に行なわれた故意の被害は、毎日数え切れないほどの人々に行われています。クラスメートにいじめられたり嘘をつかれたりしている高校生と私の違いは、利用できるお金とリソースだけです。私たちはみんなで、『もういい加減にしよう』と言わなければならないのです。あからさまな嘘に目をつぶるような社会ではもういられないのです。YouTubeのようなプラットフォームでの野放図な行動や明らかに虚偽のコンテンツは、適切な対処をし、削除しなければなりません。ジャーナリストやブロガーからの絶え間ない嫌がらせや、事実として報道される嘘は、終わらせなければならないのです」
自身のキャリアがソーシャルメディア(SNS)から始まったからこそ、「それが持つ力を知っている」と話すカーディは、「ネットいじめや意図的な攻撃により、自ら命を絶つことを決意した子どもや大人を数え切れないほど目にしてきました。今回の裁判が強力で実質的なメッセージを発してくれたことにとても感謝しています。私の経験が、私たち全員、とくにこのような行為を地域社会に許しているプラットフォームに対して、何が私たちの社会を前進させるのか、何が私たちを不自由にするのかを考え直すきっかけになればと心から願っています」と述べている。(フロントロウ編集部)